今でこそ僕は学園に雇用された身ですが、まだ正社員として採用される前は、期限付任用講師や非常勤講師として働いていました。
2月、そろそろ講師をやられている方は、契約を更新して来年度も働けるのかどうかが決まる時期です。僕は期限付任用講師として働いていましたが、この時期に来年度の契約が結べず、4月に別の学校で非常勤講師に就いたことがあります。
今回話すのは、3月まで期限付任用講師として働き、4月から非常勤講師として働くことになった時に味わった恐怖体験です。
教師の雇用形態
ここで、教師の雇用形態についてご存じない方に向けて、管理職や実習教員などを除いて、ざっくり4種類に分けて説明します。
- 教諭(専任)
- 講師
- 期限付任用講師
- 臨時的任用講師
- 非常勤講師
教員が不祥事を起こしたニュースなんかで、たまに「教諭」という立場ではなく、「講師」と書かれることがあります。ざっくり言えば、「教諭」と「講師」は教員採用試験を合格したか、していないかの差です。
この講師という立場は、契約期間が1年間と決まっています。細かいことを言うと3ヶ月更新の場合もあるんですが、ほぼ1年間その学校で仕事をします。
期限付任用講師と臨時的任用講師は常勤講師と呼ばれ、教諭と同じ待遇で仕事をします。部活動顧問も、分掌の仕事もします。賞与も貰えます。それに対して非常勤講師は授業だけをやる時間給の仕事です。授業以外は勤務時間ではありません。
期限付任用講師から非常勤講師へ
期限付任用講師の多くは、欠員補充を理由として契約しています。育休や療養として休暇を取られている先生方が復帰するまでの間、勤務します。
なので、正教員が補充される目処が立つと、来年度の雇用契約が結べないことが学校長より告げられます。
僕の場合は、他校の常勤講師の口を探したものの、自宅から通うことができなかった為、非常勤講師を選びました。
非常勤講師は時間給で給与を計算します。当時の僕は、16コマの授業を受け持っていたので交通費込みで17万円くらいもらえる計算でした。期限付任用講師として働いていた3月までは毎月19万円くらい振り込まれていたので、常勤講師ではなくなっても、まぁなんとか生きていけるだろう。くらいに思っていました。事の認識が甘かったことを思い知ったのは、恐怖を味わったからでした。
恐怖1:市民税・県民税
4月になってから地獄でした。いきなり届く税金の振込用紙、もう全てが恐怖。その第一弾となったのは、住民税・県民税でした。
1年間で第1期から第4期までの4回に分けて払います。その1期分は42000円でした。税金は昨年度の所得から計算されるため、常勤講師として働いた分の給与から計算された分を非常勤講師の給与から払うことになります。税が控除された後の常勤講師時代に振り込まれた給与と、時間給から得た総支給まるっと振り込まれる非常勤講師の給与を単純に比較したのが愚かでした。
年間16万8000円でした。
恐怖2:国民健康保険
これも非常勤講師となってから自分で払うことになりました。払えば医療費を7割負担し、自己負担額が3割で済むという国民健康保険制度は、年間15万7200円でした。
恐怖3:国民年金
写真はありませんが、国民年金の振込用紙も届きました。毎月1万6000円ほど払いました。
年間で19万2000円ほど収めました。
恐怖4:自動車税
意外とこれも、負担になったんですよ。常勤講師だった頃は「あー痛いなぁ、こんなにも取られるのかぁ」くらいにしか思っていなかった。が、既に恐怖3つを体験した後だったので、精神的にも大ダメージでした。
そして当時は車のタイヤの溝も終わって、タイヤ代をそこから捻出しなければなりませんでしたし、常勤講師時代の給料感覚でAmazonでいろいろ買っていたもんだからクレジットカードの請求に脅えていました。
塾講師を兼任
常勤講師とは違って、平日は15時には勤務時間が終わり、土日も部活がないからオールフリーです。球技大会や文化祭などの学校行事は授業ではないので休みにはなりますが、その分空いた時間に外出すればその分お金は減ります。かといって当時は実家暮らしだったので、ずっと家にいると親もいたから息が詰まります。
そんな時に始めたのが塾講師のバイトでした。僕がお世話になったのは個別指導の学習塾でしたが、夏季講習や冬季講習では一斉授業もやりました。中学3年生までの数学と英語がメインだったので、最初の1年は知識やノウハウの蓄積に時間がかかって死にそうでしたが、2年目くらいからは慣れました。
結局僕は、期限付任用講師から非常勤講師になったことで収入が激減したことに対しては、塾講師のバイトを始めることで収入を補充しました。これのおかげでかなり助かりました。ただ、塾は22時までやっているので、常勤講師で働いていた頃よりも家に帰る時間は確実に遅くなりました。でもまぁ非常勤講師の勤務時間は授業のみなので、朝礼に出なくて良かったりします。2限から授業がある日の朝はかなり余裕があるので、夜遅くまで塾で授業していても睡眠時間には困りませんでした。
常勤講師をされている先生方へ
講師という立場で、恐怖を感じたものはお金でした。大学を卒業し、社会人として働くようになったものの、契約を切られ、必要とされなくなる恐怖。その先にあるものは、お金に対する恐怖でした。常勤講師として1年間契約で働いている皆さん、そろそろ来年度の契約の話があるかと思いますが、いつ非常勤講師や無職になっても構わないように、ある程度の貯蓄を確保することを強くおすすめします。
正教員と同じことを求められ、教員採用試験の勉強やプライベートに割く時間がないかもしれませんが、頑張ってください。
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