衝動買いしました。というか前々からこの本の漫画じゃない方に興味があったので、その漫画版があるなら買おうかなと思ってポチりました。

「自分の人生自分で決めよう」の本

原作の本はどういう話になっているか知りませんが、漫画版では、父母兄妹という家族構成で、その妹が主人公となった物語でした。

主人公は大学4年生で就活中。どうやって就職先の企業を決めたら良いのか迷っている中、ライフシフトという考え方を教えてくれる留学生に出会う。

この手の自己啓発系の本には恋愛がつきものだったんですが、この本に関して言えば、特に色恋沙汰はなかったですね。非常に読みやすかったです。

この家族構成に登場する父は、厳格で、会社では役職があり、家族を養うために働いてきたという、日本ではごく普通のサラリーマンを全うしてきた人。定年間近になり、今後の人生を考える内容も書かれていました。

結局のところ、主人公はというと大手企業とベンチャー企業とで迷っていたところがありましたけど、物語の最後まで決断する描写無くストーリーは幕を閉じます。最近流行している「好きを仕事に」みたいなテーマからすると、「えっ、ベンチャー企業で自分のスキルを磨く事が、これからの時代的に良いことなんじゃないの?」みたいな印象を持つ人が読者にいるかもしれません。

それはそれで良い考え方。ただ、それだけが良い考え方だったり、それだけが新しい時代の考え方っていう訳では無いよってのが、本書の答えだなっていう印象を受けました。

自分の人生を決めるのは自分。それだけですよっと。

無形資産を大事にしよう

個人的に勉強になったのは、有形資産と無形資産の話でした。

有形資産というのは、お金や土地や家などの、形が有るもので価値があるもの。

無形資産というのは、形が無いもので価値があるもの。

具体的に言うと無形資産はこれらです。

  • 生産性資産・・・所得を得るための資産
  • 活力資産・・・心身の健康を維持するための資産
  • 変身資産・・・社会の変化に柔軟に対応する資産

これらの無形資産は、お金でも無く株でもないので、ぱっと見て資産があるって判断されづらいんですよね。企業の労働者として働き、頑張ってお金を稼いできたということは、有形資産を作ってきたということ。じゃあ有形資産を作ることばかりを全力で頑張ってきて、定年退職した後にやりたいことが見つからなかったり、身体を壊してしまっていたり、新しい時代について行けなかったら?それは無形資産を作ってこなかったということになりますね。

僕の経験上、無形資産は他人から、下手したら家族からも理解されません。これまでの日本は有形資産を作ることだけが注目されてきたからです。ただ、有形資産を作るきっかけとなっていくのが、無形資産です。無形資産なしに労働する職業は、きっとロボットがやっていくことでしょう。

自分の恵まれた環境に気づいた

ちょっと僕自身の話に脱線しますね。僕は教師として、情報を教える身として、今めちゃくちゃ楽しいんですよ。子どもらの成長する過程に携わること、自分のPCスキルがそこに活きること、どれを取っても、僕は人に話すときは「楽しい」と表現します。仕事している時も、こうしてブログを書いている時も、教養を深めるために本を読んでいる時も、楽しくて仕方ないって思っています。

先日、ブログ言いたいことやまやまのやままさんとPodcastで話す機会があったんですが、そこでも楽しいって語っていた記憶があります。

この漫画を読んで、僕は大学時代のことを思い出しました。国公立の教育大学の受験に失敗し、私立大学に入学した僕は、そこで沢山の楽しいことに出会えました。目の前のやるべきことに、周りから誘ってもらえる新しい事に、どんどんチャレンジしていた記憶があります。本当に楽しかった。大学が楽しくていつも遅くまで残っていました。

友人の中には、講義が終わるとすぐ帰って、アルバイトばかりしている人もいました。僕は当時、「なんであいつは、こんな楽しい大学での生活を捨てて、お金を稼いでばかりいるんだ。社会人になったらお金は嫌でも稼ぐようになるのに。」なんてことを思っていました。しかし、その友人はというと、バイト先で知り合った人たちとの人脈を広げて、遊びに行ったり旅行に行ったりと、話を聞いているとそれはそれで楽しそうでした。なるほど、そういう人生の楽しみ方もあるのかと勉強になりました。

自分の人生は自分で考える

この漫画、主人公が大手企業かベンチャー企業か、どちらに就職するかを悩んでいる描写が最後の方に続きますが、そこで終わることに、この本の意味があるんだなと思います。

100年人生は長い。自分で人生の道を決める方が楽しいよ。」と訴えかけてくるような本でした。

助言を受けるのは大変ありがたく、嬉しい限りですが、他人に決められた人生をただ歩くだけなんて、僕は嫌だね。