言葉の内容が伝わるのが7%だけなわけねーだろ!!!メラビアンの法則を間違えて使ってんじゃねーよ!

自己啓発系のセミナーとか、コミュニケーション大事!みたいなことをどっかで言いたい時に、メラビアンの法則が結構出てきますよね。

就職活動とかにも「今の時代、求められているのはコミュニケーション能力だ!」とかいう話が色んな所で飛び交っています。

今回はその法則を間違って使っていることが結構あるなぁと感じたのでここにまとめたいと思います。

メラビアンの法則をおさらいしてみる

この研究は好意・反感などの態度や感情のコミュニケーションについてを扱う実験である。感情や態度について矛盾したメッセージが発せられたときの人の受けとめ方について、人の行動が他人にどのように影響を及ぼすかというと、話の内容などの言語情報が7%、口調や話の早さなどの聴覚情報が38%、見た目などの視覚情報が55%の割合であった。この割合から「7-38-55のルール」とも言われる。「言語情報=Verbal」「聴覚情報=Vocal」「視覚情報=Visual」の頭文字を取って「3Vの法則」ともいわれている。

wikipediaより引用

Wikipediaから引用してみました。メラビアンの法則を導き出した実験では、感情と態度が矛盾した状態でメッセージを発するわけなんですよね。例えば、笑いながら悲しい出来事を話している人を見たら、どっちの感情を信じるか?みたいなことです。その光景を見て、人は「悲しいことなんだけど、表情から察するに、この人にとってはそんなに悲しいことでもないのかな?」と思う人が、55%いるっていうことなんです。

表情・声色・話の内容を矛盾させた状態だったら、聞き手はどの情報を頼りにするのか。その割合が視覚55%・聴覚38%・言語7%だったっていう話です。

間違った使われ方

『人は見た目が9割』っていう本が発売されました。この本が売れたこともあって、「内容よりも見た目が重要なんだ!」みたいな風潮が生まれて、それにメラビアンの法則が間違って使われたような流れがあります。

この間違った使われ方が膨らんでいくと、こういう応用のされ方が出てきました。

酷い例1「言葉の内容は7%しか伝わらないから表情が大事なんだよ!」

7-38-55の数字だけを都合よく使いたくて、インパクトを与えたいだけの酷いプレゼンです。大抵の場合、言語情報の7%っていうパーセンテージの少なさや、視覚情報55%っていう半分以上を占めている部分が強調されがちなので、こういう表現で「まじで!?7%しか伝わらないの!?!?」っていう印象を与えようとします。

んなわけないでしょ。何のために言語が生まれて今日まで使われてきたのさ。伝えたい情報が伝わらないのは言語に問題があるんじゃなくて、

てめーの語彙力だろうが!!!

と、僕は思ってしまいます。

酷い例2「LINEでのコミュニケーショントラブルの原因だって7%だけの言語で表現されているからだ」

表情も見えない、声も聞こえない環境という、LINEやメールでだと、内容が正しく伝わらない!それはメラビアンの法則でも実証されているぅぅぅぅ!

って説明している人がいました。

あぁ・・・・、もうこれは酷すぎる。

何拡大解釈してんの?バカなの?ソースはどこ?メラビアンさんそんなこと言ったっけ?

と、質問しまくってやりたい。

メラビアンさんが言っていたのは、あくまで表情・声色・内容がちぐはぐだった場合にどの情報を頼りにするのかという割合。

つまりLINEでの文章では情報が欠落しているっていうのは、また別問題。

これをメラビアンの法則を頼りに得意げに語っていると「ちがうだろうがあああああ!」って突っ込みたくなります。

感想

ほんと、もう。声を大にして言いたい。7-38-55を正しく使ってくださいよ。まじで。

こういう本とか、読んだことないけど、レビューを見るからにめちゃくちゃ怪しい。

しっかり理解した上で、使うといいよね。メラビアンの法則。

この記事を書いた人

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魚住 惇

高等学校教諭で『教師のiPad仕事術』の著者。 AppleTeacher、スクールプランニングノート公式手帳達人、相棒はHHKB HYBRID Type-S 白無刻印、HHKBケーキの人。コーヒーは生豆から焙煎。Podcast「さおとめおとらいふ」始めました。

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