やっと、iPhone7Plusから機種変更する時がやってきました。

iPhone7Plusは、実にバランス良い機種で、まだまだ使える機種だなぁとは思いますが、とうとう2年経ったのです。

iPhoneはキャリアで買う?AppleStoreで買う?

そもそも僕はiPhone7Plusを購入した際に、2度とauショップで買うもんか!と思っていました。

もう2度とauショップでiPhoneを買わないと決めた日 – さおとめらいふ

理由は、auショップでiPhoneを購入する時点で余分に1万円払うことになるからです。

auで機種変更する時は『頭金』に気をつけろ! – さおとめらいふ

でもね、僕はやっぱり今年もauで予約したんですよ。その度に後悔していたんですけどね。

僕がキャリアでiPhoneを購入する理由は、結局はキャリアの方が通信速度が安定しているから。格安SIMを色々試した時期もありました。IIJや楽天モバイル、U-mobileにも突撃しました。でもやっぱり格安SIMは昼間や夜のゴールデンタイムと呼ばれる時間帯は遅いんです。キャリアの通信速度と比べると、使い物にならないレベルだと僕は思ったんです。「いくら10GBって言っても、外でそれが使い切れなきゃ意味ねーじゃん!」とまで思っていたくらいでした。

値段だけで考えたら、AppleStoreでSIMフリーのiPhoneを購入して格安SIMを挿した方が安い。何故ならば、キャリアの通信費が格安SIMと比べて高すぎるから。ただそれでも、そうだとしても、僕が求める通信速度なキャリアの品質だったのです。折角高いお金を払って買い、毎日使うものなんですから、快適に使えなければ意味が無い。なんでお金払ってまで我慢してストレス溜めるんですかって思う。

なので、結局のところ、僕はまだ、キャリアからiPhoneを買う流れかなぁと思ってしまっていたのです。しかしそれは、考えるだけでも面倒臭い、長い長い旅の始まりでした。

auでiPhone XS 256GBを購入する場合

今回は、僕が購入するモデルと容量の都合上、iPhone XSの256GBを購入するという想定で計算をしていきます。

まずは本体の価格です。

auが予約前に発表したiPhone XSの価格はこちらのPDFにまとめられていました。

iphone_price_1809_au.pdf

その後、改めてページが作成されました。

iPhone XS・iPhone XS Max 機種代金 | iPhone | au

このね、PDFで公開された価格、結構罠なんですよ。順番に確認します。

本体価格はauの方が6696円高い

まずこのauピタットプラン・auフラットプランに加入した時の価格。割引前というのが、通常の本体価格です。

146880円。これは税込みでの価格です。

ちなみに、AppleStoreで同じ機種を購入すると、

129800円x1.08=140184円です。

つまりこの時点で、

146880-140184=6696円差が出ています。

6696円余分にauに払うことになります。

ただし、2年ほど同じスマホを使っていると、auからクーポンが届いたりします。

こういうのを考えたら、まぁチャラかな、と思います。

実質負担額の考え方が昔と違う

次に、このいきなり半額になってるこいつは一体なんなのかっていう話です。

そもそもキャリアでスマホを購入する時、特にauは、「毎月割」という端末の分割払いの何割かを全体の料金から割り引くサービスがありました。

ここ最近CMでバンバン流れているauピタットプランやauフラットプランは、この**「毎月割」がありません**。その代わり、通常の料金プランよりも安くなっています。

じゃあこの実質負担額ってどうやって計算されているのか?という話になるんです。

単純計算で考えると、これまでは機種代の分割が毎月2000円で、毎月割で1500円割り引かれるなら、毎月の分割払が500円で済む計算になりますよね。これまではこの考え方を実質負担額と呼んでいました。

auピタットプランやauフラットプランは料金プラン自体が安いので、毎月割が適用されません。その代わり、アップデートプログラムEXに加入することで、実質負担額を算出しているんです。

価格の比較が胡散臭い

PDF内のプラン別料金比較の表です。

お気づきでしょうか。auピタットプランはスーパーカケホ、それ以外のauフラットプラン20とauフラットプラン25Netflixパックはシンプルなんです。

これは、一見、auピタットプランがスーパーカケホを付けてもそこまで高くない。フラットプランも意外と高くない。という印象を受けますが、本当は全く違います。まず、auピタットプランは通信容量が1GBで収まる場合の価格です。XSやXS Maxの購入を考えている人は、たったの1GBで収まるでしょうか。

そして、フラットプランを安く見せようと、敢えてスーパーカケホではなくシンプルという全く通話に対して定額ではないプランで計算しています。比較するための画像であるはずが、同じ条件での比較になっていません。

見た人を騙そうとしているのか、試そうとしているのか。そのままを見て判断する人に、正確な情報が届きますようにと願うばかりです。

そして、本体の分割払いが24回ではなく、48回になっているところもポイントです。

これについては、次の項目で話します。

20180922追記 auがアップグレードプログラムの条件を一部変更

本記事の公開後に、auがアップグレードプログラムEXとアップグレードプログラムEX(a)の特典を受けるための条件を改定しました。

これにより、特典を受ける、つまり実質負担額で済ませる際に、アップグレードプログラムに再加入しなくてもよくなりました。

事実上の永久縛りがなくなりました!やっほぅ!つまりここで怒りをぶちまけていた内容が少し変わりました。

しかし、特典を受ける条件として、次の機種に機種変更しなければならないことには変わりはありません。ということは、結局はどこかで満額を払わなければならない。ということですね。

「アップグレードプログラムEX」および、「アップグレードプログラム」の特典利用条件の変更 | スマートフォン・携帯電話 | au

アップグレードプログラムEXに隠れたauの手口

アップグレードプログラムEX/EX(a) | スマートフォン・携帯電話 | au

au公式サイトより画像を持ってきました。

これがアップグレードプログラムEXの概要を説明している画像です。

このオプションは、分割払を48回で契約し、2年間の支払いが終わった頃に新しい機種に機種変更することで、残りの24回払い分をチャラにしますよ。という内容です。

つまり、これまでは分割払を24回で契約してきたのを、48回にすることによって、まずは月々の分割払額を半額にしています。加えて、2年間かけて48回分のうち24回を払い終わったタイミングでこのプログラムを適用することで、残り2年間分をチャラにする。つまりその機種代金の支払い総額を半額にしますよっていう感じです。

ここでポイントなのは、適用されるのは、24回分を払ったタイミングで、次の機種を購入することが条件だということ。

一度これを適用させると、2年経ったら買い換えないと損するってことです。つまり、仮に2年契約が終わったとしても、48回払いのうち半分しか終わっておらず、このタイミングで解約しようと思ったら分割払いの残金半額を支払う必要が出てきます。適用しなかった分のアップグレードプログラムEXに払ったお金はau WALLETのポイントとして返ってくるので、390円x24=9360円は戻ってきますが、その分だけでは残金を相殺することは出来ません。

このオプションは、表面上は高い端末をauで使うことで実質半額ですよ!と見せているものです。

しかし裏を返せば、2年契約が満期となったタイミングでは48回の分割払いが終わらず、解約出来なくするとともに、次の端末をもauで買うしか選択肢がないようにしているのです。

この実質という言葉に騙されてはいけません。

アップグレードプログラムEX(a)はどうなのか

(a)が付いているアップグレードプログラムEX(a)については、先日別の記事にまとめました。

詳しい内容はそこで触れています。

auで毎年新しいiPhoneに機種変更し続けるために分割残金をチャラにするオプション「アップグレードプログラムEX(a)」 – さおとめらいふ

ここでは、(a)の有無による説明の違いについて、ちょっと突っ込みます。

アップグレードプログラムEX/EX(a) | スマートフォン・携帯電話 | au

こちらがauが用意した説明画像です。

そしてこちらが、アップグレードプログラムEXの説明画像です。この2つの説明を見ていて気づいたことがあります。

端末の価格が違うんですよ画像ごとに。対象としているターゲットが違うっていうことも理由の1つとして上げられます。EXの方は一般向け、大きさや容量にこだわらず、安いものでいいと思っている人たち向けです。

EX(a)は、僕のように毎年iPhoneを変えたいと思っていたり、容量が大きいような高い値段のものを購入する人向けだと推測できます。要は見せ方ですよ。EXの説明を前面に出しているところなんか特に。

iPhone XSの価格は64GBモデルでも128640円します。

ということは24回で払っていくと毎月5360円本体代だけで払う必要があり、アップデートプログラムEXのために48回払いにするとその半分の2680円を毎月払っていくわけです。これはアップグレードプログラムEXの解説画像から1180円も上がっています。iPhone XSを買う人にとって、アップグレードプログラムEXの画像は不親切です。同じことはEX(a)にも言えると思います。

iPhone XS 256GBをauで買う時の料金計算

それではここで、僕が実際にiPhone XS 256GBを購入することにしたので、毎月いくらほどかかるのか試算していきます。

僕は現在、auフラットプラン30(カケホ)で契約しています。iPadとも通信容量を共有していて、5月ごろからiPadで頻繁にネットを使うようになったこともあって30GBにしていました。最近は20GBの範囲に収まるようになったので、今回は20GBのプランにしようかなと考えています。

あと、プライベートで結構電話を使うので、ここではカケホのプランで計算します。

フラットプラン

auフラットプラン20(カケホ)

  • 月額7500円
  • スマートバリューでずっと1000円引き
  • スマホ応援割 1年間1000引き
  • iPhoneギガトクキャンペーン 1年間520円引き
  • 1年目は毎月5000円
  • 2年目から毎月6500円

auフラットプラン25Netflixパック

  • 月額8500円
  • スマートバリューでずっと1000円引き
  • スマホ応援割 1年間1000円引き
  • iPhoneギガトクキャンペーン 1年間1000円引き
  • 1年目は毎月5500円
  • 2年目から毎月7500円

auフラットプラン30

  • 月額9500円
  • スマートバリューでずっと1000円引き
  • スマホ応援割 1年間1000引き
  • iPhoneギガトクキャンペーン 1年間520円引き
  • 1年間7000円
  • 2年目8500円

本体の分割払い

ピタットプランやフラットプランには毎月割が発生しないので、次のスマホもauで購入するならアップグレードプログラムEXやEX(a)を組むことで割引をもらうしか、端末を安く買う方法はありません。

auでiPhone XS 256GBを購入するとなると、146880円かかります。

これを24回払いにすると毎月6120円を本体代として払うことになります。

48回払いにするとその半額なので、毎月3060円となります。

合計金額を従来プランと比較する

アップグレードプログラムEX(48回払い)で購入するとなると、

auフラットプラン20(カケホ)と24回払いの組み合わせと、アップグレードプログラムにより、

1年目は、5000+390+3060=8450円

2年目からは、6500+390+3060=9950円となるわけですね。

すると2年間の合計は、8450×12+9950×12=220800円

これを、従来のデータ定額20と毎月割の組み合わせで計算すると、

  • カケホに2700円
  • LTENETに300円
  • データ定額20に6000円
  • 分割払で6120円
  • 毎月割が2710円
  • 合計:12410円

これを2年間となると、12410×24=297840円

従来通りのプランで、毎月割を期待しても、今のauではむしろ毎月割の方が高くついてしまうんです。

スマホ応援割と、iPhoneギガトクキャンペーンという1年間限定で1500円くらい値引いてくれる特典があるのも要因の一つでしょう。

auから離れるなら金払え!

ここまで調べてアレなんですが、僕の心情としては半々ってとこです。auを長年使い続けてきた身としては、ずっとauを使い続けるならアップグレードプログラムEXは、今後もauを使う人にとっては実質価格で購入できると考えてよいと思います。ただ、2年間で解約できなくなります。

それに気づくことができる人は、どれくらいいるのでしょう。

auがiPhone XSの価格を発表した当時の多くのブログメディアは、そのPDF通り「アップグレードプログラムEX適用により実質73440円で買うことができます」みたいに書いてるわけですよ。

でもそれってそこだけで考えるとダメで、48回払いであったりとか、アップグレードプログラムEXがどういう計算になるのかとか、そこまで計算してみないと、実質負担額だけに騙されてしまう人が出てきてしまう。そう思ったので今回調べてみました。

恐らく、他のキャリアもこんな感じに、ユーザが簡単には離れられないような工夫を凝らしているんだろうなぁと思います。

これをお読みになった皆さん、あなたはiPhoneをキャリアで買いますか?それともSIMフリー版をAppleStoreで買いますか?