HHKBのラバードームをDESKEYSの「DES-DOMES BKE Tactile」に交換してみた

HHKB Professional HYBRID Type-Sを使い始めてから、2年ほど経過しました。
『教師のiPad仕事術』の途中からの文章や、それ以降に書いた文章も、ほぼ全てをHHKBが受け止めてくれました。

僕の人生は、HHKBとともにあるような物です。

しかし、最近になって困ったことがありました。「HHKB Professional HYBRID Type-S」の打ち心地が変化してしまってきているのではないかという問題です。

HHKBは製品寿命が長いことで評判ですし、そこらのメンブレンキーボードよりも高品質で打鍵感が素晴らしいのは事実です。ですが、HHKB雪を以前触らせてもらった時に、思ってしまったんですよ。

「あれ、自分が普段使っているHHKB Professional HYBRID Type-Sよりも、HHKB雪の方が軽やかで、好みだ」って。

今回は、そんなHHKBの打鍵感を追い求めていくことにしました。

原因はラバードームかもしれない

HHKBは静電容量無接点方式を採用しています。静電容量無接点方式では、スプリングをラバードームで覆った部分を、上からキートップで押し込みます。

Happy Hacking Keyboard Professional Type-S キースイッチ構造
画像はPFU社のサイトより拝借しました。https://www.pfu.fujitsu.com/hhkeyboard/leaflet/keyspec.html

ここでポイントなのは、メンブレンと違いスプリングを使っていながらも、ラバードームを使っているということです。

静電容量無接点方式とて、ゴムが使われているということです。

ゴムという素材は、経年とともに劣化します。輪ゴムも時間が経てば、少し伸ばしただけでも千切れてしまいますし、車のタイヤも劣化するとひび割れてきます。

つまりHHKBもゴムという素材を使っている以上、打ち心地が変化してしまうのではないかという仮説を立てることができます。

もしこの仮説が正しいのであれば、HHKB雪のラバードームが未使用で使いやすく、2年間使ったHHKBのラバードームが多少なりとも経年劣化してしまったと説明がつきます。

また、PFUの社員の方にラバードームについて質問したところ、季節や気温などの条件によってもラバードームの製造にはばらつきがある程度は発生すると教えていただきました。ただこのラバードームの製造についても、HYBRIDの製造に合わせて製法を向上させて、ばらつきの範囲が以前よりも狭くなったと聞いています。

ということは、僕が2019年から使っているHYBRID Type-Sがばらついている中の端に位置していて、試しに使ってみたHHKB雪のラバードームの完成度が、奇跡僕の好みにどストライクだったっていうこともあり得るかもしれません。

そう考えながらネットで情報を漁っていると、どうもやっぱりHHKBの打ち心地にかなりの影響を与えているのが、どうもラバードームらしいということが分かってきました。

ラバードームにラバープロテクトを吹き付けるっていうのが、劣化したゴムにも一応は少しは効くらしいというのは朗報でした。これはいつか試してみたいと思っています。

この「ものくろぼっくす」というのは、僕のHHKB仲間の大東さんという方が書いているブログです。やっぱりこの人も、このラバードームに行き着いたんだなって感心してます。

「そうか、やっぱりラバードームだったか。」と思うというか、太鼓判を押されたような気になりました。

というわけで、HHKB(つまりTopre軸)に使えるラバードームを探すことにしました。

ラバードームの候補「DES-DOMES BKE Tactile」

最初に出てきたのが、遊舎工房さんが取り扱っているラバードームです。

ここで買うと、20個で2420円。HHKBは60個のキーがあるので、3セット必要です。
2420×3で7260円です。

送料が550円なので、合わせて7810円です。

これと同じ商品を取り扱っている、いわば本家のサイトがこちらです。

本家のサイトだと、68個セットで58ドルでした。送料が12ドルなので、合わせて70ドル。

今のレートだと、遊舎工房さんとそこまで変わりません。ただ、本家の通販で購入すると、ほぼ同じ価格でドームが多少余ります。

信頼できるお店から購入したいのなら遊舎工房さんがおすすめだとは思いますが、本家から買っても良いなと思うなら、deskeys.ioで購入しても良いと思います。

僕は今回、deskeys.ioという本家サイトで購入しました。

注文してから5日で届いた

上の画像は、SagawaGlobalの検索結果と日本の佐川急便のお問合せ結果です。

サイト上では12月7日に注文をして、12月9日には出荷されました。12月11日には国内の佐川急便として発送されて、12月12日に到着しました。

つまり、注文から届くまでにかかった期間は5日間ほどでした。海外通販としてはかなり届くのが早いと思います。

HHKBを分解して、ラバードームを換装する

HHKBの全体像

それではここから、HHKBを分解してラバードームを交換するまでをまとめます。

HHKBのキートップを工具を使って引き抜く

今回、ラバードームだけを交換しても良かったんですが、どうせならキートップの洗浄もやってしまおうと思ったので、キートップを1つ1つ外していきました。

キーキャップをボウルの中に入れて洗う

キートップを洗う際は、僕はよく台所の洗剤を使っています。ボールか洗面器の中にキートップを入れて水を張り、洗剤を入れて1つ1つのキーを指で汚れを落としました。
多分効率を高めるなら歯ブラシやスポンジを使った方が良いかもしれませんが、我が家にはあいにくキーボード専用にしている歯ブラシがなかったので、指の指紋でゴシゴシ洗いました。

キートップを外した後の本体

キートップを乾かしている間に、ボディの表面の汚れも落としていきました。少しだけ濡らした綿棒で溝を擦るのがおすすめです。

HHKBの裏面

さてここからはHHKB本体を分解します。HHKB Professional HYBRID Type-Sを分解する際、最初に外すネジは3ヶ所です。

わかりやすいのはこの画像でいうと、左上と右上の部分です。ここはすぐ見つかる場所だと思います。

HHKBの電池ボックスの中

そして3ヶ所目は、電池ボックスの中です。この「DO NOT REMOVE」のシールを剥がすと、ネジが出てきます。
この3ヶ所のネジを外すことで、本体がパカっと開きます。

蓋を開けた時に見える部分

開くとまず目に入るのがこのフラットケーブルです。最低でも片方を取り外した状態にしてから基板を引き離すと良いと思います。

基板にあるネジを全て外す

で、こっちがキートップがついている側の基板です。ここから見えるネジを全て取り外します。

基板の表面。ここにラバードームが引っ付いていた。

全てのネジを取り外して基板を裏返すと、ラバードームが基板にひっついたまま上を向きます。

本体の上側の裏面

こっちが裏返した基板の下にあった残りです。

ラバードームの下からスプリングが出てきた

このラバードーム、手で簡単にペリッと剥がせます。剥がすとスプリングが出てきます。
このスプリングがかなりデリケートなほど柔らかいので、うっかり強く摘んで変形しないように注意しながら扱う必要があります。

ラバードームのパッケージ

そしてこれが今回の目玉。deskeys.ioで購入したラバードームです。

ラバードーム4連の本体

開封すると、4つ分がつながっている状態で出てきます。

純正ラバードームとdeskeysのラバードームとスプリング

先ほどの基板から純正のラバードームを剥がして、その中から出てきたスプリングも基板からどかしておきました。

HHKBの上パーツの裏に、ラバードームをはめていく作業

その後にやるのが、ラバードームを軸の上に置く作業です。基板の上にスプリングを置いてラバードームを置くのではなくて、軸の上に裏返したラバードームをはめていきます。

電池ボックスの蓋を下敷きにした

ちなみにHHKBはそのままだと斜めっているので、スペースキーにあたる部分に電池蓋を敷いて、机とほぼ並行な状態にして作業しました。

4連のラバードームの裏面

ShiftキーやCtrlキーなどは、4連のままだとラバードームがはめ込めないので、細い溝に合わせてハサミで切りました。

全てのキーの裏にラバードームとスプリングを取り付けた

ラバードームを全てのキーの軸の裏にはめたら、その中にスプリングを仕込んでいきます。スプリングは斜めにならないように注意しながら丁寧に入れます。

ここまできたら、あとは基板を被せてねじ止めをし、元通りにするだけです。

「DES-DOMES BKE Tactile」の打ち心地

ラバードームのパッケージ

正直に言うと、ゴムの製品としてのクォリティはHHKBに内蔵されていた純正品の方が、品質が高かったなという印象を受けました。

キー荷重は、軽くなったなとハッキリ認識できました。今回僕が購入した色がPinkで42gなんですが、2年間使い古した45gと比べるとかなり軽いように感じます。

しっかりとしたタクタイル感で入力することができるので、好みな方は多いと思います。

ただやっぱり品質面で言うと、キーの上に指を置いた瞬間にぐらつきを感じます。あとそのぐらつきによるプラスチック同士が当たる音がします。
慣れたら気にならなくなるかもしれませんが、僕は少し気になります。

交換後のHHKBと、HHKB雪を比べると、やっぱりHHKB雪の方が打ち心地が素晴らしいなぁと感じました。

と言いつつも、やっぱり劣化したゴムよりも新しいゴムの方が、良いなぁとも思っています。HHKB HYBRID Type-Sを最初に使ってみた感想は「リニアだな」だったので、それと比べるとタクタイル感が帰ってきたなっていう印象です。

今回はっきりしたのは、僕自身がタクタイル感が好みだということ、そしてdeskeysのラバードームも悪くはなかったんですが、純正のラバードームだと未使用の大当たりな品質に当たると幸せだということでした。

これはあくまで僕自身の指の感覚の話ですが、もちろん僕のHHKBの換装前のラバードームの方が好みだという方もいらっしゃると思います。

それでも今回は、HHKBのラバードームに劣化を感じてしまったので、内部構造の勉強も兼ねて、分解して交換してみようと思ってチャレンジしてみました。

結果は自分の中でも賛否が分かれていますが、しばらくは交換したまま使ってみようと思っています。

はっきり言って、今回のラバードームの交換という世界も沼でした。

HHKBって、ラバードームのゴムの状態によって、ここまで打ち心地が変わるのかと思い知らされました。「使える」とか「キーを押したら反応する」という部分だけを見た状態で「寿命が長い」と言うのは、確かもそうかもしれません。

しかし、僕の指では「HHKBの打ち心地が変化してしまった」と感じてしまいました。ちょっとでも使い始めた頃の打ち心地に戻したいと思って、ラバードームの交換に踏み切りました。

できれば、純正品を保守パーツとして売ってもらえると、嬉しいです。あとはPFUさんがHHKBリフレッシュサービスを行うとか。車と同じように定期的に点検してくれるとか。そんなサービスがあると良いのになぁと思いつつ、HHKBを分解して色々と勉強になりました。

HHKBの打ち心地が変わったのでなんとかしたいと思う方の、少しでも参考になれば幸いです。

この記事を書いた人

魚住 惇

高等学校教諭で『教師のiPad仕事術』の著者。 AppleTeacher、スクールプランニングノート公式手帳達人、相棒はHHKB HYBRID Type-S 白無刻印、HHKBケーキの人。コーヒーは生豆から焙煎。Podcast「さおとめおとらいふ」始めました。

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