こんにちは。HHKBエバンジェリストの魚住惇です。

他のページでも明言していますが、僕が一番愛しているキーボードはPFU社のHHKBです。アレこそが僕のこだわりの原点であり、キーボードを語る上での基準となる名機です。

ところが、ここ数年の間に、自作キーボード界隈をはじめ、多くのキーボードが作られるようになってきました。

中でもメーカーが本気で作った、こだわりのあるキーボードというのが本当に素晴らしく、HHKBを持っているからというだけでは高みの見物ができないレベルになってきました。

僕自身が色々なキーボードを使い倒す経験がないと、HHKBがゴールですよとか、HHKBが最高ですよなどと発言できないんじゃないかと思うようになりました。

HHKBを自分の中での唯一の存在として居続けてもらうためにも、もっと多くのキーボードを触ってみたいという欲が湧いてきたわけです。

というわけで今回お借りしたのは、Lofreeさんというメーカーの「Lofree Flow84」という名前のキーボードです。

Lofree Flow84

このキーボードはキーの数が84キーです。型番にキーの数を入れることで、どれくらいの大きさなのかが想像しやすいです。

HHKBよりも少しキー数が多めで、テンキーレスながらもファンクションキーがあり、EnterやBSの右側にHomeやEndなどのキーが縦に並んでいます。

ちなみにこのキーボードは英語配列です。日本語配列と比べてアルファベットのキーは共通ですが、記号の位置が違います。

日本語入力の切り替えには、Windowsだと「Alt」+「`」、Macでは「Ctrl」+「Space」を使います。

こうした海外製のキーボードはほとんどが英語配列です。僕自身はHHKBから英語配列の合理的さに惹かれて、それ以来キーボードは英語配列を選ぶようになりました。

この記事を書いてるあたりで購入した iPad ProのM4モデルも、Magic KeyboardはUSにしました。なのでFlow84も使っていて全然違和感がありません。

日本語配列ばかりを使ってきた人にとって割と慣れないのが、EnterやBS周辺だと思います。でもこれも慣れなので、このキーボードが気になっている人は修行してください。

背面にあるのが有線OFF、ON、Bluetoothの切り替えスイッチ。有線でもOFFにすることができるのが嬉しいところ。ケーブルを抜かずに掃除ができます。

背面のLEDは控えめです。ギラギラしなくてもいいからちょっとは光ってほしい。そんな要望に応えてくれる感じで光ってくれます。

これまでにない打ち心地

このキーボードの素晴らしいところは、打ち心地です。これがね、素晴らしいんですわ。

ロープロファイルのMX軸でありながら、しっかりとした押し心地。しかもこのコトコト感がたまらない。入力していてかなり病みつきになりそうです。

お借りしたFlow84に使われているのはGhostと呼ばれるリニアタイプのスイッチです。キー荷重は50±15gFですが、そんなに重たいとは思いません。

通常のMX軸と比べてストロークが浅いからでしょうか。軽いなと思います。今こうして文章を打つのに実際に使っていますが、入力していてそこまで疲れを感じません。

それにしても恐ろしいほどに気持ちよく打たせてくれるキーボードですよこれは。ファンが多いのもわかるわ。

とはいえ気になる部分というのがゼロではありません。僕が実際に使っていて感じたことをいくつか紹介します。

リマップができない

打ち心地最高のキーボード、そして価格。これだけの価格でありながら、キーのリマップができません。

自作キーボードを普段使いしている身としては、もうちょっとカスタマイズ性が欲しかった。

高さ調整ができない

HHKBなどのキーボードの裏面にはツメを立てることで後への角度を上げることができるようになっています。

しかしこのFlow84にはその機構がありません。少し高さが上げてありますが、その高さで固定です。

ノートパソコンのキーボードに慣れている人にはそれほどストレスになりませんが、HHKBやRealForceなどに慣れている人にとっては、もうちょっと高さが欲しいなと思うかもしれません。

というか僕は高さが欲しいなと思ってしまった口です。キーキャップも薄いので、上段や数字などの段が遠いなと感じます。

でも角度を高くしてしまうと、ここまでボディを薄くしたメリットも無くなってしまうし。そう思いながら使いました。

特にこだわりがない人は本体ごと、上級者はスイッチを

シリコンパッドやポロンで実現するもっちりコトコト感。そして極上のタッチ。これはもう、本当に病みつきになります。HHKBとはまた違った感じ。

個人的に気になるのは右シフトの横にあるカーソルキーです。ちょっとここは間違えて押してしまいそう。でもそれもある程度修行することで修正できる気もします。

ボディもアルミで美しい。見ていて惚れ惚れするし、製品としてのクォリティもかなり高いです。

ただ、キーの配列をリマップしたり、1つのキーにショートカットキーを登録したりと、カスタマイズの経験がある人にとっては、アレもできないコレもできないってなるかもしれません。

それならFlow84に使われているキースイッチが別で売られているので、そちらを買うのが良いかなと思います。というか実際に買ってる人が多い。

自作キーボードにおすすめの定番キースイッチになりそう。ただしMX軸のロープロなので、使えるキースイッチにも限りがあるのでよく調べてから買ってください。

少しでも安く書いたいという方は、Amazonでたまにセールをやっているので、セール時の購入がおすすめです。

それにしても恐ろしく素晴らしいキーボードが出たなとは思います。HHKBもStudioが出てなかったら今頃どうなっていたか。

この記事は実際にLofree Flow84で書きました。