手帳選びは、恋人選びと一緒なの。一目惚れで付き合うこともあれば、中身で付き合うこともある。自分では絶対に大丈夫だと思っていたのに、実際付き合ってみると、上手くいかないなんてこともあるの。それだけ、手帳選びは難しいってことね。
(俺のダンディズム 第4話 「手帳」より)
この言葉、実にしっくりくる言葉です。僕は昔から手帳が好きで、カレンダーが好きで、今も学校では手帳を愛用しています。当然iPhoneやiPadで使うカレンダーアプリにも拘りたいところです。
2020年1月30日にFlexibits社がFantastical 3というカレンダーアプリをリリースしたので、iPad版を使ってみて気になったことを書いていきます。
5年越しのメジャーアップデート
こういうのを見るとワクワクしますね。
Fantastical 2がリリースされたのは2015年。今年が2020年なので実に5年ぶりのメジャーアップデートです。
これまでもMac、iPad、iPhone向けのアプリがリリースされていましたが、特に注目したいのがiPad版です。初代iPadが発売されてから10年経ちました。iPadOSが2019年にリリースされてから、使い方そのものも10年前と比べて見直されつつあります。初代iPadの発表プレゼンではiPadはネットブックの置き換えという位置づけだったのに対して、iPadOSはノートパソコンの代わりとなるような、パワフルさを売りにしようとしています。(iPadOSというかiOS13がまだまだバグだらけですけどね。早く安定版としてiOS14を出して欲しいです。)
このiPadOSの登場によるiPadがこの先目指している方向性が決まったところで、Fantastical 3のiPad版が、以前より便利になりました。
マンスリー表示に対応
僕がずっとiPad版Fantasticalに求めていた機能です。リマインダーを表示できるカレンダーの第2の選択肢である「Calendars 5 by Readdle」を潰しにかかりましたね。
iPadの最大の利点である画面の大きさを活かしたマンスリー表示に、やっと、やっと対応してくれました。2だとウィークリーまでしか対応してなくて、大きな画面を持て余してたんですよね。
画面の上部にあるこのボタンを使って、タスク・日・週・月・年の表示を切り替えられるようになっています。
個人的に気に入っているのは、iPadのSplitView機能を応用してFantastical 3の画面を2画面で表示させ、左側をマンスリー、右側をタスクを表示させて並べた画面構成にすることです。
この画面を眺めながら、「このタスクは何日に実行しようかなぁ」と考えるのが好きなんですよ。
タスクの日時設定が超簡単
「何月何日にこの予定を入れる」っていうのを日付をタップして入れたり、「このタスクはこの日に実行しよう」っていうのを項目を指でドラッグ&ドロップして運んでいくのが、アナログの手帳でやっている動作にそっくりで、直感的だなって思います。
タスクの編集画面を開いてくるくるピッピを回さなくても、「このタスクはこの日!」という感じにぽいぽい指先で操作していくの、病みつきです。もちろんこの機能自体はFantastical 2の頃から実装されていました。ただこの左上のカレンダーの数字だけ見ていても、その日にどんな予定が入っているのかがわからないまま、タスクを放り込むしか出来ませんでした。
バージョンが3になってiPadでマンスリー表示に対応したことで、その日の予定を見ながらタスク実行日を割り振る作業が出来るようになったわけです。2で同じことをやろうとするとMac版が必要でした。これでiPadの広い画面を有効活用できます。
それとこれまた便利なのが、時間の調整も指先1つで出来る事。
Fantasticalの良いところは、カレンダーの予定とリマインダーに登録したタスクを同時に表示出来る事です。よくあるタスク管理アプリだと、タスクをGoogleカレンダーに連携して予定として表示してくれるわけですが、それだと予定とタスクが一緒になってしまって、その項目が予定なのかタスクなのか分かりづらくなります。
確かにタスクに実行予定日を設定した時点でそれは予定なのかもしれませんが、僕としてはその項目が予定なのかタスクなのかをハッキリさせておきたいんです。学校行事というのは予定なんですが、そこでどんな作業を自分が担当するのかはタスクです。
このアプリだと、カレンダーの中にリマインダーの項目が表示されていると、そこにチェックボックスが表示されていて、タップするとチェックが入って完了済みになります。
そもそもGoogleカレンダーにタスクを表示すること自体、好みが分かれるところですが、個人的には予定とタスクは分けて考えたいのでこのアプリが好きです。
カラムの幅を変更できる
これ、必要かどうかわかりませんけど今回発見しました。左側のリスト表示と右側のカレンダー表示の境界線が、SplitViewっぽい印が付いています。これを右に引っ張ってみると、
ちょっと伸びましたね。
反対に左側に引っ張ると、カレンダーだけの表示になりました。こっちが本命かもしれない。
ごく普通のカレンダーアプリっぽくなりました。僕としてはFantasticalの2カラム表示がこれまで通りだなって思うので、この表示は滅多にやりません。これを設定するくらいなら他のカレンダーアプリでも良いかなって思います。
2を購入したユーザーは2の機能のみ無料で使える
And what about our existing customers who bought our apps in the past years to get us to this point? Some have called us crazy, but we call it doing the right thing. All of the features from your prior purchase of Fantastical 2 will continue to work with the new Fantastical. That’s right: your new apps will automagically detect your existing purchase and provide a special unlock of the features you already paid for. This means you will continue to get bug fixes and support for some time to come, too.
Fantastical 3はこれまでのFantastical 2の買い切りとは違って、全ての機能を利用するためにはサブスクリプションでお金を支払う必要があります。つまり年間もしくは月額でアプリ代を支払うわけです。
Fantastical 2を購入したユーザーは、2まで提供されていた機能がそのまま使えるようになっています。ただし、3になってから導入された新機能はお金を払わないと使えません。
この仕組みによって、Ulyssesサブスク化騒動(サブスクが導入されて、直前に購入してしまった人も、割引価格とはいえすぐ月額を払うようになってしまった事例)のようにはならないんじゃないかな?と僕は思います。
ちなみにこれがプレミアムプランの金額です。年間で払うと33%お得で、月額3.33ドルで済みます。
ただし、住所を日本にして円で買おうとすると、割引後の価格でも月額408円かかります。これ今の相場1ドル108円で考えたら、この価格設定は微妙です。割高すぎ。
月額408円ということは、年間約5000円払うことになりますからね。
正直、カレンダーアプリに年5000円も毎年支払い続けるってどうなの?って思ったりもしますが、Mac・iPad・iPhone・Apple Watch全てのデバイスで使うカレンダーアプリに対して5000円という金額が、果たして高いのか安いのか、判断に困るところです。
価格だけ見たら確かに高いなって思うんですけど、こんな素晴らしいカレンダーアプリを作ってくれてありがとう!っていう想いがあるし、定期的にお金がちゃりんちゃりん開発者に入る仕組みがあればバグも意欲的に修正してくれそうです。それに今後もっと便利な機能がアップデートで追加されることを期待する意味も込めて!と考えると、案外妥当な気がします。
そんなこんなで嫁のゆかさんには購入した後に事後報告をしたんですが、
まぁ、毎日使うものなんでしょ?
とOKしてくださいました。ひゃっほい。
あと僕は使わないので多くは語れませんが、プレミアムプランに加入するとTodoistと連携してくれるらしいです。Todoistはタスク管理界隈で使っているユーザーが多いので、きっとこれまでより相当便利になると思います。僕はiOS標準リマインダー派なのでそのままでも十分便利ですが。
2020年2月1日時点の不具合
まだリリースされたばかりなのでバグが多いのは致し方ないにしても、結構困るバグがあるので紹介します。
.@flexibits Hey! This is VERY NICE update🙄 #Fantastical3 pic.twitter.com/4PkLj4xmUM
— Tomo Ueda (@Dappi_Official) January 30, 2020
まずこれ、Apple Watchだとくるくるが止まらないバグ。結構致命的です。
これに関しては、2月1日に配信されたアップデートを適用しつつ、なんども更新したりApple Watchにアプリを入れ直したりして、僕の環境では解決しました。
既存タスク修正時の日本語入力直ってないですよね??よくある1文字目強制確定されて漢字変換できないバグが…
— はるな👠iPad活用術 (@haruna1221) February 1, 2020
致命的なのはむしろこっち。タスク名を編集する際に日本語入力を行うと、1文字目を入れた途端に確定されてしまって漢字変換できないバグ。地味に困っています。アップデートで修正されるのを待つか、タスク名を編集する時はリマインダーから行う必要があります。
感想
結局はサブスクリプションにお金を払うことになってしまったり、バグが多くてなかなか満足に使えないっていう印象が強いFantastical 3。リリースされてから連日のようにアップデート通知が来ているので、既知のバグはどんどん修正されています。
僕自身バグを見つけては、よく公式Twitterアカウントにリプを投げるようにしています。当面の間はバグ修正と、今後は新しい機能の追加に期待です。
とりあえず一番嬉しかったのは、iPad版でマンスリー表示できたこと。やっと思い通りに使えるカレンダーアプリに出会えました。おすすめです。
ちなみに、プレミアムで何気に気に入っているのは、同じ名前の予定を重ねて表示してくれることです。複数のアカウントで休日や祝日を登録していると、こんな感じにまとめてくれます。同期するカレンダーくらい選別しろよって言われるかもしれませんが、その作業もしなくてよくなるので地味に便利です。