どうして僕はこうもHHKBを推すのか改めて考える

HHKBが大好きで、結婚式のウェディングケーキにまでHHKBを乗せてしまいプチ有名人となってから丸2年が経ちました。

今でも「キーボード ウェディングケーキ」で検索すると出てきます。例え検索数が少なくても、パワーワードすぎる。

お陰様で、HHKB Professional HYBRID Type-Sの発売日にはトークセッションにも呼んでいただきました。

このイベントはキーボードにこだわりを持つことが素晴らしいことだと、自分が理想とするキーボードを追い求めることは、人生そのもだということを改めて感じました。

そしてこの遺伝子は、息子へと受け継がれていくのでありました。

ここまでHHKB大好き人間を表明している今も、ふと思うのです。

自分はなぜ、HHKBというキーボードをこうまで推しているのかと。

数多くある魅力を語るにしても、既に他の購入者のブログには大抵似た様なことが書かれているし、僕自身一体どこから話したら良いのか、手頃なところが思いつきません。

打ち心地、感覚、フィーリング、これらについての魅力的であるかを語ってしまうと、それとなく宗教を連想させてしまう話になってしまうのがHHKBの凄まじいところです。ネタの表現としては面白みがあり、同じHHKBユーザーであれば、その言い回しでも十分に通じます。

しかしそれでは、オタク同士がアニメ作品について、如何に素晴らしいかをただ語っているのと同義です。

インターフェイスは極端なことを言えば全ては好みの世界です。人それぞれに対して合うものもあれば合わないものもある。つまり、ネット上に反乱する「おすすめキーボード」を紹介する的な記事に書かれる候補は、はっきり言うとその記事を書く人によって変わってきます。

(あまり大きな声では言えませんが、たかだか数千円のキーボードだけを購入しただけでも、その経験だけでそれらしい記事が書けてしまうのです)

言い換えると、キーボードの紹介記事には情熱度の違いが出てきます。

ここは例としてITmediaが運営しているFav-logの記事を見てみます。

HHKB Professional HYBRID
富士通グループのパソコン周辺機器メーカー「PFU」が開発した「Happy Hacking Keyboard(HHKB)」の最新モデルの1つです。

https://www.itmedia.co.jp/fav/articles/2005/24/news022.html

なお、このキーボードはキーをかなり省略しているため、用途によってはかえって操作にストレスを覚える可能性があります(特に米国英語配列モデル)。購入する前に、実物写真をチェックすることを強くおすすめします。

https://www.itmedia.co.jp/fav/articles/2005/24/news022.html

HHKBが人を選ぶ性質を持っているために結構強めの但し書きを残していますが、紹介する候補として最後に出てきているわけです。使うか使わないかは別として、敬意を払っている様子が覗えます。SEやプログラマー以外の、ライター業の方からも評価されているのも頷けます。

彼らは言わば、物書きと呼ばれる職種。つまり、キーボードで入力したものがそのまま仕事の成果物となり、収入を支えている人達です。美容師が10万円を超えるハサミを仕事道具として使っているように、物書きの方にもその仕事に相応しいキーボードが必要となるわけです。

HHKBのターゲットにしているのはまさにその層。キーボードでアウトプットすることを生業としている人達に向けて作られた嗜好品です。

HHKBの最大の魅力はキーの大きさ

打ち心地、マルチペアリング、静音、どれをとっても一流であることを感じさせるHHKB。数多くある魅力の中で、今回はキートップ(キーそのものの部品のこと。海外ではKeyCapsと呼んでいる)に注目します。

HHKBのキートップは厚みがあり、豆腐の形をしている、昔ながらの大きさです。僕はこのキーキャップの大きさを持ち運んで使うことこそが、HHKBの何よりの魅力だと思っています。

ちょっと3Dモデリングの勉強がてら、iPadのShapr3Dというアプリを使って3Dモデルを作成してみました。

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四角錐を途中で切ったような、豆腐のような形をイメージしました。

ブラザー工業株式会社 ブラザーミュージアムにて撮影

このキートップの大きさの由来はタイプライターです。電子部品となった今でも入力装置としてQWERTY配列を保ったまま使われています。ちなみにこの写真のタイプライター、ポータブルと名が付いているのでモバイルデバイスですね笑。

そして90年代のワープロの時代までこの大きさは続きます。

https://ja.wikipedia.org/wiki/書院 (ワープロ) より

Wikipediaから拝借してきました。シャープの書院という名前のワープロです。僕が小学生の頃、実家にありました。僕は主に発表会の台本をタイプしては同じ班の同級生に配付していました。

この段階ではまだキーボードと言えば今のHHKBと同じ大きさですが、この後から、徐々に薄型のキーボードが普及してきます。

ブラザー工業株式会社 ブラザーミュージアムにて撮影

90年代後半になると、液晶ディスプレイが普及してきたことをきっかけに、キーボードも薄くなりました。ノートパソコンと言えば、この形のキーボードでした。

このキートップを先ほどの3Dモデルで考えると、豆腐を半分の高さでスパッと切って、上半分を無くしたイメージです。

この流れは個人的には良かったと思います。僕は特にThinkPadのキーボードが当時は好きでした。

打ち心地に配慮しつつ、真ん中に置かれたトラックポイント。ホームポジションから手を離すことなくポインティングできるのは魅力でした。

では最近の薄型キーボードの主流はというと、

キーとキーの間に隙間があり、より薄くなったこのタイプです。

確かにコンパクトになった。それは認めます。薄いです。打ち心地も進化している。

ただし、先ほどの3Dモデルで考えてみると、

隙間があることから、大きな豆腐を半分の薄さに切って、上半分を使っているイメージに僕は感じるます。当然その分薄くなるし、キーの間も開いてしまいます。ThinkPadもX220までは従来のタイプでしたが、X230からはこっちのタイプに変わってしまいました。そのせいで、僕は愛用しているThinkPadをX200からアップデート出来ずにいます。困った。

あくまで僕なりの解釈ですが、豆腐の形であるキートップを、薄型キーボードの進化の過程で、前半は豆腐の下半分、後半を上半分を使うようになったと仮定します。

その薄くなった豆腐の形で、本物の大きさに敵うのか?っていう話なんです。

そこでHHKBが出てくるわけですよ。

確かに今後、静電容量無接点方式の薄型キーボードが出てくるかもしれません。ただ現状は、この大きさそのものが他のキーボードにはないHHKB最大の特長として好まれています。

東プレのRealForceも同じ静電容量無接点方式のキーボードですが、小型で持ち歩いて使うにはA4縦半分の大きさであるHHKBが明らかに小さくて軽い。癖はあるものの、使っていると次第に慣れます。コンパクトさを優先した結果として犠牲にした部分が当然あるわけですが、それが反対にメリットであるとさえ思えてくるのです。

HHKBをおすすめしたい人

ここで改めて、こんな人にHHKBを勧めたい!というポイントをまとめました。

HHKBをおすすめした人

タッチタイピングができる

生産性を高めるための費用は惜しまない

・これまでのキーボードに満足できなかった

HHKBが人を選ぶ理由は、ハードルが高いからです。HYBRID Type-Sだと3万円半ばまで跳ね上がる価格は、明らかに他のキーボードと比べて、高いです。ただしそれは、そのお金を払っても生産性向上によりペイできる!と思えば必要経費です。

それとHHKBはタッチタイピング(手元を見ずにキーボード入力をするスキル)がある程度完成していてこそ、その真価を発揮するキーボードです。人差し指や中指だけでタイプしている所謂「北斗の打ち」が日常の方には不向きです。理由はもちろん、1分間に静電容量無接点方式のキーを堪能できる回数。打つスピードが速ければ速いほど、「あ〜この打ち心地が良いんじゃ〜」と思える回数が当然多くなります。反対に打つスピードがそこまで速くない、もっと言うとタッチタイピングが出来ない人だと、入力中にキーの打ち心地を感じる頻度が低いわけです。これじゃHHKBの良さは伝わりません。

あ、とりあえずHHKBを買ってからタイピングを練習するのは全然ありだと思います。

文章を入力することに賃金が発生している。ならば短時間で文章を入力できるようにすれば、当然生産性が上がる。しかも入力中のストレスが軽減できるどころか、使っていてモチベーションが上がることすら全然あり得る。そう考えたら高くてもお釣りが来ると思える。

そんな方にこそHHKBは相応しい。

HHKBに向いてない人はLogicoolとかで全然良い

自分はそこまで・・・と思っている方は、モバイルキーボードはLogicoolのkeys-to-goなどを買うと幸せになれると思います。僕も実際これの赤を使っていました。今は妻のゆかさん専用キーボードです。

このブログは、2008年から書き続けてきました。今から12年前にも、これまで使ってきたキーボードについてまとめた記事を書きました。

当時はHHKB Professional2 無刻印白が届いて、本当に嬉しかったのを覚えています。HYBRID Type-Sは確かに高い買い物ですが、僕がこれまで買ってきたキーボードの総額を考えると、本当に恐ろしいです。

しかし、この記事をお読みになったそこのあなたは、12年間、いやもっと前から追い求めてきたキーボードの理想であり完成形を、すぐにポチることが出来るわけです。

独身時代だからこそできた試行錯誤でした。今じゃ絶対にこの試行錯誤の過程はゆかさんが許してくれない。

決して万人受けするキーボードではありません。人を選びます。だからこそ、アウトプットの頻度が高い全ての人にHHKBをおすすめしたい。

最後に、最近僕の周囲ではHHKBユーザーが増えてますっていう話で終わります。

あぁこの、「ようこそこちら側の世界へ」感が半端ない。最高。もっと増えないかしら。

この記事を書いた人

魚住 惇

魚住 惇

高等学校教諭で『教師のiPad仕事術』の著者。 AppleTeacher、スクールプランニングノート公式手帳達人、相棒はHHKB HYBRID Type-S 白無刻印、HHKBケーキの人。コーヒーは生豆から焙煎。Podcast「さおとめおとらいふ」始めました。

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