ついに、ついに、ついにこの日がやってきました。
何年待ったことか。だいたい1アージュですか。
2019年12月10日、新型HHKBが発表されました。
というかラインナップ一新とか格好良すぎます。勇者王ガオガイガーFINALなら「待ってたぜ・・・この瞬間を!!」状態です。
今回は、前半で一新されたラインナップの確認をして、後半では実際に使ってみたのでレビューします。
全機種総入れ替え
少し前に、廉価版であるメンブレンキーボードHHKB Lite2の生産が終了しました。
#HHKB Lite2の販売が終了している。自分にとってLiteシリーズは沼の入り口でした。Lite2があったから手軽にHHKBの配列を試せた。本当に大好きなキーボードでした。18年間も製造販売し続けたことも本当に凄い。今までありがとうございました。https://t.co/iCwzyR6tew
— 魚住惇(さおとめらいふ) (@jun3010me) November 16, 2019
今思えば、その頃からラインナップの整理をしていたと考えられます。これまでProfessional、LIte、Professional2、Professional2 Type-S、BTと新型を投入してきたものを、PFUさんは次の通りに整理しました。
HHKB Professional Classic
USB端子をminiBからType-Cに変更した有線接続のみのモデルです。Professional2に付いていたUSBハブを取っ払っているので、事実上Professionalの後継と言えます。
用意されたモデルは「PD-KB401B(英語配列墨)」「PD-KB401W(英語配列白)」「PD-KB401BN(英語配列無刻印墨)」「PD-KB401WN(英語配列無刻印白)」の4種類です。ClassicにはJPが用意されていません。
価格は23000円です。
HHKB Professional HYBRID
先代のHHKBBTを改良した新型です。
HYBRIDとは有線(USB-C)と無線(Bluetooth4.2LE Class2)との両立という意味です。
Bluetoothは4台登録できます。ユーザーから要望が多かった、キーボードショートカットから接続先を切り替えることができるようになりました。Bluetooth4台と有線1台をHHKB側から切り替えられます。
これが、これが欲しかったんだ・・・!!2016年に発売したBT版を使ってからずっと抱いていた不満が、遂に解消されたんだ・・・。
更に、BT版よりも10%省電力化に成功し、動作時間が3ヶ月から3.3ヶ月に伸びたそうです。
そしてなんと、専用ツールでキーリマップが出来るようになりました。ペアリングに使うキー以外を、自分好みにカスタマイズできます。
今回、ツールを使ったリマップも実際にやってみたので、後ほどレビューします。
一気に身体中の痒いところ全部に手が届くようになってしまった、恐ろしい子です。
用意されたモデルは「PD-KB800B(英語配列墨)」「PD-KB800W(英語配列白)」「PD-KB800BN(英語配列無刻印墨)」「PD-KB800WN(英語配列無刻印白)」「PD-KB820B(日本語配列墨)」「PD-KB820W(日本語配列白)」の6種類です。
HYBRID版には日本語配列モデルがあります。ただ、日本語配列モデルに無刻印はありません。
キーストロークは従来通り4.0mm、価格は27500円です
Classicとの差額を考えると、4500円上乗せすればBluetooth4台接続とキーリマップ機能が追加されるわけです。個人的にはClassicとHYBRIDで悩むなら間違いなくHYBRIDを選びます。
でもね、フラグシップの化け物はこれじゃなくて次に紹介するモデルですよ。
HHKB Professional HYBRID Type-S
じゃん。これがPFUが魂を込めて世に送り出した新型HHKB、「HHKB Professional HYBRID Type-S」です。
用意されているモデルは、先程のHYBRIDとほぼ同じ組み合わせで、「PD-KB800BS(英語配列墨)」「PD-KB800WS(英語配列白)」「PD-KB800BNS(英語配列無刻印墨)」「PD-KB800WNS(英語配列無刻印白)」「PD-KB820BS(日本語配列墨)」「PD-KB820WS(日本語配列白)」の6種類です。
価格は32000円です。一番値段が高いフラグシップモデルです。
HYBRIDとの差額は4500円、Classicとの差額は9000円です。
この差額、迷うかもしれませんが、Type-Sのキーストロークは3.8mmと、0.2mmほど浅くなっています。これは静音化するための部品がはいっているためです。
4500円ケチって、Amazonなどで売られている静音化リングを後から分解して付ける改造もありますが、売られている静音化リングを付けるとキーストロークが3.8mmよりも浅くなってしまうんですよ。個人的にHHKBの打ち心地ではなくなってしまうのでは?と考えるので、自分で静音化するくらいなら4500円上乗せしてType-Sモデルにすることをお勧めします。
この度、特別に発売前からお借りすることができました。※レンタル品なので後日返却予定です。
ここからは実物の写真を使って紹介します。まず目についたのは、ロゴの位置でした。
ね、従来のHHKBロゴの位置である右下部分には、なんもなくなっちゃいました。すごくシンプル。でもちょっと寂しい。
代わりに、ロゴマークは左上のESC123の上に刻印されています。HHKB、Professional、HYBRID、どの単語もフォントが違っているためかそれぞれに思い入れを感じます。
右上にType-Sの刻印がありました。HHKB HYBRIDとの区別はここでつけます。
続いて裏面です。
裏面を見るとこんな感じ。
右側にUSB-C端子と、電池ブタがあります。
左側には電源ボタンがあります。BT版では出っ張り部分に電源ボタンがありましたが、HYBRIDでは平面に電源ボタンがあります。
改めて、2016年に発売されたBT版と比較してみました。電池部分の出っ張りが短くなっています。鞄に入れる時に、この出っ張りが地味にスペースを取っていたので大変ありがたい改良です。
ああ、もう、カッコいい。カッコいいよ新型ぁ!
Happy Hacking Keyboard キーマップ変更ツールの使い方
見た目に感動した後で、今度はキーのリマップをやってみました。これがリマップのためのツールの画面です。
お気づきでしょうか。ファームウェア更新のボタンがあります。
これ!これだよ!このボタンが欲しかったんだよ!ユーザー側からHHKBのファームウェアを書き換えられるようになったんですよ。これまではPFUに送らないとファームウェアの更新をしてもらえませんでしたが、今度からは自分でできる!
今後アップデートが配信されたら、自分でできるんです。この「自分でできる」ことが本当に嬉しいです。
キーボードファームウェア更新のボタンをクリックすると、現在書き込まれているファームウェアのバージョンが確認できます。
キーマップ変更の画面がこちらです。左側にDIPスイッチの状態、中央にHHKBが表示されています。型番と同じ見た目で出てきます。その下に表示されているのがキーの一覧です。QWERTY順とアルファベット順とで表示を切り替えることができるようになっています。
上のHHKBのFnキーをマウスでクリックした状態です。通常のキーと、Fnを押した状態で反応するキーと、両方共を好みのキーにカスタマイズできます。画面上で「X」の表示が出ている部分は、変更できない部分です。Bluetoothのペアリングなどに使ったりする部分が該当しています。
キーを登録できない部分を変更しようとすると、このようにメッセージが表示されます。
今回はとりあえず、こんな感じに登録してみました。よくゲームなんかでカーソル移動する時って、WASDが使われますが、僕これがちょっと苦手なんですよ。小指を多用することがちょっと苦手です。なので、Fn+ESDFでカーソル移動にしてみました。結構快適です。
あと、Windows10でスクリーンショットを撮影する際に多用する「Win+PrintScreen」をやりやすく、Fn+スペースをPrintScreenにしました。これ地味に便利です。HHKB配列のPrintScreenの位置はFn+「i」なんですけど、それを押し間違えるとScreenLockを押してしまうことになってしまいます。挙動的に厄介なので、もっと分かりやすい位置に変えました。
また、個人的に使いそうにないキーを消したりと、ヒューマンエラーを減らせるようにしてみました。
Fn+TABのCapsLockも消しました。
また、Ctrlキーを割り当てると、Bluetooth絡みのショートカットにも使えるようになるそうです。Fn+Ctrl+1234を近くに配置するように変更しても良いかもしれませんね。
1週間使ってみた感想
最っ高!です。HYBRID Type-Sモデルは本当に最高のHHKBです。
僕が所有しているType-Sよりも、どことなく軽いキータッチです。軽やかに、そして通常のProよりも静かに入力できます。スペースキーを連打しても、そこまで煩くありません。
45gとは思えないくらい軽いです。本当に打ちやすい。
これ、一度味わってしまったら、もう普通のHHKBには戻れません。
この心地よい軽さは中華キーボードのNizに近いものを感じますが、Nizはもっと軽くて安っぽい打鍵感なので嫌いです。
この、重くもない、リアフォみたいに軽すぎない、この絶妙な打ち心地が素晴らしい。
ずーっと入力していて、全くストレスを感じません。
Bluetoothの接続先を切り替えるキーの組み合わせを指で表現すると、右手小指+左手小指+左手中指となるわけですが、ほぼホームポジション通りに指が運べるので操作もしやすい。
ロジクールの123ボタンも嫌いではないんですが、ホームポジションから指が離れるのが、僕は嫌です。
ああ、だめ。もうこのキーボードじゃないと仕事もしない。ブログも書かない。使えば使うほど、そう思えてしまう恐ろしい新型です。
これまで購入を躊躇していた方も、Bluetooth対応で、切り替えがキーボード側からできて、USB-C端子なら、十分に候補に入るのではないでしょうか。
できたら、これとiPadを合体したいんだよな。それか、HHKBと合体できるiPhoneスタンドが欲しい。膝の上で打っても、快適です。
話が長くなって本当に申し訳ないんですが、止まらないんです。指が。なんでも良いから入力したいって指が勝手に動くんです。
PFUさん、本当に良い製品を作ってくださいました。このキーボードがあるおかげで、仕事が快適に進みます。BT版発売時には営業さんに結構不満をぶつけてしまいましたが、あれから3年で、心から素晴らしいと思えるキーボードに進化しました。
大好きです。新しい相棒。