2010年にiPadが発売されてから10年、先進的な授業などの実証実験校を除いて、やっと普通の教育現場に、「iPadとかを授業で活用したら、結構便利なんじゃないか?」と思う人が増えてきました。趣味用の端末としてiPadを使っている先生方も、「これに教科書を入れたらここで読めるんだよなぁ」とも考えるようになってきたと思います。

ハッキリと断言します。iPadって教育現場とめちゃくちゃ相性が良いんですよ。

特に若い先生にその傾向があります。スマホを使いこなしている世代です。最近になって僕の周りでは「自分も買おうかなぁiPad」と思われる先生方が本当に増えてるんですよ。うむ、良いことです。

今回は、そんなiPadを初めて買ってみようと思う方に、自分に合った機種を選ぶポイントを紹介します。

この記事を読むと分かること

・自分にピッタリのiPad

・お店より安くiPadを買う方法

2020年5月現在のiPadは全4機種

iPad初めてiPadを買う
iPad Air性能の高いiPadに買い換えたい
iPad mini白衣のポケットに入れたい、小さいiPadが欲しい
iPad ProApple Pencil2を使いたい、最上位グレードが欲しい

これが現在Appleが販売しているiPadです。全部で4機種用意されています。

先に結論から言うと、初めて買うならiPadで十分です。他と比べると性能が決して高いわけではりませんが、他のモデルよりも安価です。

iPadを使ったことがないから、どんなことが出来るのか一度買って試してみたい。そんな方におすすめです。

では、Airやmini、Proといったモデルは、どんな人におすすめする機種なのか。性能面から見てみましょう。

機種名CPUCPUが登場した年画面サイズ
iPadA10 Fusion201610.2
iPad AirA12201810.5
iPad miniA1220187.9
iPad ProA12Z202011 or 12.9

CPUというのはコンピュータの脳にあたる部品です。iPadとiPhoneは同じ部品が流用されているので、「CPUが登場した年」という項目では、その部品がいつ登場したiPhoneに組み込まれているのかをまとめました。

この表を見ると、一番安いiPadは、2016年に製造を開始したCPUを搭載していることがわかります。2016年はiPhone7が発売した年です。つまり、iPhone7と同等の性能ということです。こうしてみると古いなって思うかもしれませんが、普通に使う分には申し分ない性能です。

残りの3機種は2018年に製造を開始したA12を搭載しています。iPhoneでいうとiPhoneXSです。2020年に発売したiPad ProはA12Zという「Z」が付いたモデルとなりますが、これはA12よりもグラフィック性能をアップしたものです。

この性能を比較した表を見て、「自分は新しいCPUのモデルが良いな」と思った方には、AirかminiかProをおすすめします。

現行モデルは全てApple Pencil対応

現在販売しているiPadは、全モデルApple Pencilに対応しています。iPad ProのみApple Pencil2に対応しています。

僕はこれまで、ネットで売られている高価なペンから、ドン・キホーテに売られているような安いペンまで様々な種類を買って試してきました。

Apple Pencilが発売してからは、「もうApple Pencilしかあり得ないな」って思うようになりました。紙とペンの組み合わせとほぼ同じような感覚でiPadが使えるようになったからです。

この辺りの話は、別の記事にて詳しく解説しています。

2016年にAppleがキーボードの他に発売したもの、Apple Pencil。故スティーブジョブズが「iPhoneは指で操作するんだ。スタイラスはNOだ。すぐ無くす。」と言っていましたが、彼が死んだ後にAppleは純正スタイラスペンをiPad用として発売しました。これが本当に素晴らしくて、これまで色んなスタイラスペンを買っては絶望してきた自分にとって、最高傑作でした。「やっとiPadが紙とペンの代わりになる時代が来た」と思えるペンでした。

2020年3月更新:iPad全モデルの容量と金額を総まとめ!

さて、4種類のモデルの中から、自分はこのiPadかなという候補が思いついてきた頃でしょうか。

ここで、iPadのモデルと本体の容量、細かいモデルの違いによる価格差を、2つの表にまとめましたのでご覧下さい。これを見ると、価格で決めたら良いのか、容量で決めたら良いのかを、考えるきっかけになると思います。

2019年3月に新しいiPad AirとiPad miniが発表されたことに加えて、2019年9月に第7世代iPadが発表されました。更に、2020年3月25日に新型iPad Pro 2020が発売するので、その価格も反映しました。

2020年3月時点でのiPad価格表(教職員価格&種類順)

iPadの種類別に、価格をまとめてみました。自分に必要な容量を見ていくと良いかなと思います。

機種名通信本体容量税抜き価格
第7世代 iPadWIFI32GB32,800
第7世代 iPadCellular32GB47,800
第7世代 iPadWIFI128GB42,800
第7世代 iPadCellular128GB57,800
第5世代 iPad miniWIFI64GB43,800
第5世代 iPad miniCellular64GB58,800
第5世代 iPad miniWIFI256GB60,800
第5世代 iPad miniCellular256GB75,800
2019年 iPad AirWIFI64GB52,800
2019年 iPad AirCellular64GB67,800
2019年 iPad AirWIFI256GB69,800
2019年 iPad AirCellular256GB84,800
2020年 iPad Pro 11WIFI128GB79,800
2020年 iPad Pro 11Cellular128GB96,800
2020年 iPad Pro 11WIFI256GB90,800
2020年 iPad Pro 11Cellular256GB107,800
2020年 iPad Pro 11WIFI512GB112,800
2020年 iPad Pro 11Cellular512GB129,800
2020年 iPad Pro 11WIFI1TB134,800
2020年 iPad Pro 11Cellular1TB151,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI128GB94,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular128GB111,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI256GB105,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular256GB122,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI512GB127,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular512GB144,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI1TB149,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular1TB166,800

2020年3月時点でのiPad価格表(教職員価格&価格順)

機種名通信本体容量税抜き価格
第7世代 iPadWIFI32GB32,800
第7世代 iPadWIFI128GB42,800
第5世代 iPad miniWIFI64GB43,800
第7世代 iPadCellular32GB47,800
2019年 iPad AirWIFI64GB52,800
第7世代 iPadCellular128GB57,800
第5世代 iPad miniCellular64GB58,800
第5世代 iPad miniWIFI256GB60,800
2019年 iPad AirCellular64GB67,800
2019年 iPad AirWIFI256GB69,800
第5世代 iPad miniCellular256GB75,800
2020年 iPad Pro 11WIFI128GB79,800
2019年 iPad AirCellular256GB84,800
2020年 iPad Pro 11WIFI256GB90,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI128GB94,800
2020年 iPad Pro 11Cellular128GB96,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI256GB105,800
2020年 iPad Pro 11Cellular256GB107,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular128GB111,800
2020年 iPad Pro 11WIFI512GB112,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular256GB122,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI512GB127,800
2020年 iPad Pro 11Cellular512GB129,800
2020年 iPad Pro 11WIFI1TB134,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular512GB144,800
2020年 iPad Pro 12.9WIFI1TB149,800
2020年 iPad Pro 11Cellular1TB151,800
2020年 iPad Pro 12.9Cellular1TB166,800

こちらが、価格が安い順番に並べ替えたものです。やっぱり第7世代iPadのWIFI版の32GBが一番安く、手軽に購入できるiPadなのは変わりません。あと注目すべきなのが、容量が256GBで一番安いモデルが、第5世代iPad miniのWIFIモデルだということ。あとは個人的に中途半端なのがiPad Airという存在です。正直、そこまでお金を出すなら、iPad Pro 11インチのCellularモデルを買った方が良いと思うのです。なにせApple Pencil第2世代が使えますからね。9万円ほどiPadに出せるなら、もうちょいっと頑張ってProまでグレードを上げましょう。そうした方が満足度は高いし、性能面に不満を抱くこともないですよ。って思います。

それと、2020年3月25日に発売するiPad Proの価格が少し安いせいか、Airがより中途半端になりましたね。Airのセルラーよりも安くProのWIFIモデルが購入できてしまいます。これは使用用途によって迷うところ。というかもうPro買っちゃえって思います。

購入時に考えるポイント

とまぁあくまで僕が考えた内容だと、どうしても高価なiPadに辿り着いてしまいます笑。ので、僕がどういったことを基準に意思決定したのかを紹介します。

AppleStoreの学生・教職員向け割引を使う

まずこれが大前提です。学生や教職員は、MacやiPadを安く買えます。変な中古を探したり、量販店で買うよりかお得です。iPadのグレードに応じて、2000〜5000円くらい違ってきます。ケースやフィルムの値段くらい割り引かれるので、結構大きいです。

従って、この記事に出てくるiPadの価格は、全て教職員割引後の価格にします。学生や教職員以外の方は、この記事に出てくる価格よりも数千円高めだと思っていてください。

容量は下から2番目以上を選ぶ

iPadはSDカードを内蔵することができないので、本体のストレージ容量を後から増やせません

しかも各容量の価格差を考えると、Appleやーらしいなぁと思うほどです。

例えば、第7世代iPadは32GBと128GBの容量が用意されていますが、ご覧の通り、一番小さい容量32GBで32800円(税別で教職員価格)、128GBで42800円(税別で教職員価格)です。

128から32を引くと96GBです。42800円から32800円を引くと10000円ですね。単純に計算すると、96は32の3倍なので、32GBあたりの価格は約3667円。ということは、存在し得ない容量0なら29,133円ほどだとして、32GBごとに3667円足していった計算だなぁと僕は考えます。

買ってみたのはいいけど、後々になって容量が足りなくなって、結局新しいものに買い換えるなんてことを考えたら、一番下の容量を買うのは安くても容量的には割高です。

ここは最低価格に飛びつかず、下から2番目以上の容量を買うのがおすすめです。

Wi-Fi + Cellularを選ぶ

大学時代の先輩が「インターネットに繋がっていないコンピュータはただの箱だ」と行っていました。タブレットにも僕は同じ事を感じています。

学校という環境では、個人のiPadを同じWIFIに繋ぐことが許可されていないところがほとんどなので、WIFI版を買って個人のスマホからテザリングして繋ぐか、Wi-Fi + Cellular版を買って、適当な格安SIMを契約するのがおすすめです。

第7世代iPadだと容量が32GBの場合、Wi-Fi + Cellularを選ぶだけで47800円に跳ね上がりますが、「iPadでネットを使おうかな、あぁそうだ、スマホのテザリングをONにしてっと」なんてやっているくらいなら、月額1000円でも格安SIMに払ってSafariをそのまま立ち上げるのがストレスフリーです。

最初の1台なら試しにWIFI版を買うのもアリですが、どうせならWi-Fi + Cellular版を購入することをおすすめします。WIFI版には搭載されていないGPSも付いてくるので、ナビにも使えますよ。

ちなみに別の記事にて、どの通信キャリアのSIMカードを挿すのがおすすめかをまとめたので、興味がある方はご覧下さい。

AppleCare+は入る

教師がiPadを買うなら、もう絶対に延長保証サービス「AppleCare+」に入った方が良いです。

サポートが2年間に延長される安心感。学校の校舎は鉄筋コンクリートの塊です。階段だらけです。やんちゃな子ども達もいます。落としたら割れますよ確実に。部活に活用しようとして外で使ったりしたら、砂利で画面も本体もボロボロですよ。

iPadのAppleCare+(8,400円税別)に入ることをおすすめします。

手軽に持ち運びたいなら「iPad mini」を選ぶ

画像は「https://klug-store.com/白衣のポケットの活用法/」より引用しました。

今では、ドクターが白衣のポケットにiPadを入れて持ち運んでいるのをよく見かけるようになりました。現代の医療機関は電子化が進んでいます。例えば電子カルテを導入した場合、カルテの記入や確認ができる場所はパソコン前に限られてしまいます。
手軽に持ち運べるiPadであれば、カルテの記入や確認、患者様の情報を表示するなど場所の制限が低くなり、メモやカメラといった機能を活用することで業務の効率化にも繋がります。
米国のドクターの多くがiPhoneやiPadを活用していることから、その人気や性能の高さが伺え、日本の医療機関でもiPadが注目されています。

「https://klug-store.com/白衣のポケットの活用法/」より引用しました。

iPad miniは高性能でコンパクトです。手軽に使えます。しかも、白衣のポケットにすっぽり入ります。これが理科の先生にはかなり好評です。身軽に移動できることを理由にminiを選ぶ先生が本当に多いです。しかもコミックスや文庫本を読むのにも最適なサイズです。

iPadより効果ですが、とにかく手軽に持ち歩いて使いたいという方や、小さい鞄にも入れて持ち運びたいという女性の方におすすめです。

高性能&Apple Pencil2対応を求めるならiPad Pro

もしあなたが既にiPadを持っていて、新しいものに買い換えたいと思っているなら、迷わずiPad Proを買いましょう。今抱いている性能的不満は、Proなら解消できるはず。2020年3月25日に新型iPadProが発売されたので、買うなら今ですよ。

  • 11インチ(2020年モデル)
    • 通常価格:84,800円(税別)〜
    • 教職員価格:79,800円(税別)〜
  • 12.9インチ(2020年モデル)
    • 通常価格:104,800円(税別)〜
    • 教職員価格:94,800円(税別)〜

まとめ

iPad初めてiPadを買う
iPad Air性能の高いiPadに買い換えたい
iPad mini白衣のポケットに入れたい、小さいiPadが欲しい
iPad ProApple Pencil2を使いたい、最上位グレードが欲しい

ここまで考えた上で、自分自身がiPadを使っているシーンを想像してみてください。どのモデルを使っている姿がしっくりくるのかがポイントです。

初めて買うのか、高い性能が欲しいのか、小さいのがいいのか、最上位がいいのか。

上にあった価格表を見ながらの財布との相談をしてみると、候補が絞れてきます。

これを言っちゃあれですが、悩んでいる時が一番楽しいです笑。

もし本当に迷ってしまって、どうにもならなかった際は、twitterのDMやお問い合わせフォームなどからご質問ください。あなたにとってピッタリなiPadを一緒に考えたいと思います。

本記事に加えて、2020年5月15日発売の著書『教師のiPad仕事術』では、ブログには書いていないiPadを使った仕事術を詰め込みました。是非ご一読していただければ幸いです。

余談:これまでiPadがあまり広まらなかった理由

ここからは余談です。これまで何故iPadでは仕事が出来ないんじゃないかと思われてきた理由と、最近になってiPadの仕事への活用が期待されてきたのか。僕なりの解釈をお話します。

僕はiPad無しでは生活できないなって本当に思っているんですが、世の中の人達は、むしろタブレット端末を持っている人の方が少数派だったということに気づきました。きっかけは

嫁

iPadでできることって、iPhoneでもできるじゃん

そう、妻の存在でした。おっしゃるとおり、iPadで動くアプリの殆どは、iPhoneでやれる。画面は小さいけど、Bluetoothのキーボードを繋いだらiPhoneでも文章が書ける。じゃあiPadはどういった時に使うのか。

こればっかりはね、iPadを積極的に使ってみた人じゃないと、見出せなかったんです。パソコンやスマホを自分でググりながら使い倒していける人は、「あれもできる、これもできるじゃん」と自らどんどん使い方を発見していくんですけど、苦手な人はそもそも使う事自体に慣れることができず、そこまで苦労するならようやく使う事に慣れてきたスマホで全部やれるし、必要性を感じない。高いし。となってしまうんです。

タブレット端末は、一言で言えば画面が大きくなったスマホです。スマホでは読みづらかった本や漫画、見るには画面が小さかった映画やドラマ、それと写真。どれもが見やすくなりました。あとブラウジングもね。その代わり大きすぎるので耳に当てて電話することには向きません。となればタブレット端末は、娯楽を楽しむだけの大きな板なんじゃ?映像見るならテレビでいいし、紙の本を買えば高い端末を買わなくても良い。必要性はどこに??そう考える人がかなり多かったんです。

キーボードをくっつけてパソコンの代わりに

このタイミングでAppleは、iPadのProというバージョンを2016年に発売すると同時に、専用コネクタSmartConnectorに対応したキーボードを用意しました。「新しいiPadには専用キーボードが用意されていて、パソコンのように使える」という印象が生まれたのがこのころでした。

あれから2年経ちました。iPadが完全にパソコンと同じことができるかというと、決してそうではありません。しかし、これまでパソコンでやってきたことをそのままiPadで実現することが無理なだけで、やりようによってはiPadでも少し不便だけど全くできないわけではないな。というくらいにはなりました。

色んなメディアが、ブロガーさんが、「仕事でやっていることを全部iPadでこなせるようになれば、生活が変わるのでは?」という夢を持っていました。あれやこれやと多くのアプリを試して、「これならiPadだけでいける」という内容を増やしていきました。ただどうしても技術的な作業や専門的な作業をiPadでやることは、2019年を迎えようとしている今でも完全には無理で、「パソコンでやれることの一部をiPadでもやれるようになった」くらいが丁度良いように思います。

ここまでお読みくださってありがとうございました。iPadに興味が出てきた方は、前半部分を読みながら、自分に合うiPadを探してみたり、Appleのサイトを見ながら容量やオプションを変えながら価格を見たりしてみてください。