『君たちはどう生きるか』のターゲットは誰か

ここ数ヶ月の間に、どっかでこの本が話題になっていましたね。『君たちはどう生きるか』という本です。80年ほど前に書かれた本が、昨年漫画化したものです。

なんで今頃になって話題に?去年出版された本でしょ?とは思ったものの、何か話題になるのには理由があるはず。

まぁそんな感じに「物事にはきっと理由があるはずだ」という想いと、「きっとこういう自己啓発に似ている本だろうから、この主人公が人生に迷って、どうやって生きていくのか迷っていくんでしょ?」とか思っていましたよ。

全然思っていた内容と違いました。

概要

この主人公、コペル君と呼ばれていますが、この中学生である少年が、生きていく中で体験する出来事が色々と登場します。その出来事に対して、叔父さんが的確にアドバイスしていく。

という流れがずっと続きます。

ターゲットはタイトルに引き寄せられる人

何当たり前のこと言っとるんじゃ!と思われるかも知れませんが、これが本当にこの本で言えること。

だって「君たちはどう生きるか」ですよ?

「私の人生、このままでいいのかなぁ」って思いつつ本書を手に取ってみた。っていう人を狙い撃とうとしてるじゃないですか。まぁ実際に内容もその通りなんですけど。

若手教員向きかも

それと、これを読み進めていく中で、主人公の少年が色んな事で悩んだり泣いたりするわけですよ。悩む内容は普遍的な人生を送ってきた人にとっては「あーこれ自分もあったわー」と思ったかもしれない。それは些細な出来事に見えて、当事者にとっては大きな事だったりします。

重要なのは、その出来事を、初めて体験した子どもが目の前に居るとき、大人がどんな言葉がけをするのか。ということ。馬鹿にしてもいけないし、過剰に反応してもいけない。そのバランスが難しい。

本書に登場する主人公の叔父は、用意する言葉のチョイスが絶妙でした。そして、叔父自身も自身の言葉がけによって新しいことに気づいたりもする。これこそが知の営みであり、大人も子どもも共に成長する、理想の姿だと思いました。

若手教員も、これは読んだ方が良いと思います。

知的生産を連想させる内容も!

後半あたりにさしかかった時、主人公の叔父が「消費すること」について語っています。物事を体験し、それについて考えを深め、今後に活かしていく。その過程で人生をただ消費するだけではなく、生産する側になろうという働きかけが描写されている部分がありました。

その部分を読んだ瞬間に「これ!まんま知的生産じゃん!」と僕は思いましたよ。「人間はただの消費者になっているだけではだめだ!」みたいな感じに言われてる感じがしました。もうその言葉を読んだだけでうずうずしちゃって。愛用のAccessNoteBookに3ページほど万年筆を走らせて思ったこと考えたことを綴っちゃいました。

自分の人生は自分で考えろ!という本

結局の所、この本は「こうやって生きなさい」みたいなことが書いてあるわけではなく、「これからの人生で、自分の身に起こった出来事から、ちゃんと考えて、学んでいくんだよ」っていうことを折に触れて語っているような本でした。

自己啓発系の本を読んだことがある人にとっては、割とありふれている内容かもしれません。「あぁ、こういう考え方ね」と思った方は、その物語の、話の持って行き方とかを中心に見ていくと、「お〜こうやってこの話に繋げたのかぁ」と思うことがメインになっていくと思います。

僕は今、自分の人生を、自分の意思で生きている感じがあり、自分の取る行動には基本的には自分の意思があります。珍しいことかもしれませんが、毎日楽しいです。この感覚で言うと、この本を読んで「あぁ、やっぱり毎日充実した生活を送るには、こういう考え方だよな。うんうん。」みたいに思っちゃいました。

自分の生き方の確認ができ、これまで大事なこととして思ってきたことの裏付けができ、僕自身はちょっと自信が付きました。

この本のタイトルに少しでも惹かれた人は、読んでみることをおすすめします。