Ulyssesがサブスクになってから1年ちょっと経ちました。物書き界隈というか、そういうブログ界隈では、脱Ulyssesの動きが盛んだなーくらいに思っていました。
僕自身、今Ulyssesでうまくブログも更新しているんだし、本の原稿だって書けたんだし、言うて年間3300円の更新なんだから良いんじゃない?くらいの感覚でいました。
しかし今になって、**「本当にUlyssesを、今後ずっと使い続ける方向で良いのだろうか」**と思うようになりました。ここんとこずっと、頭の中は脱Ulyssesでした。
今回は、そんなブログの更新方法について少し語ります。

○○なんかで文章が書けるか

文章を書くためのソフトや環境は色々あると思うんですが、僕が思う**「こんな環境で文章なんて書けるか」**と感じるものがあります。

ブラウザ

「さおとめらいふ」自体はWordPressで動いています。ですが、僕はブラウザ上で文章を書くのが苦手です。
まず、ブログ黎明期の時代に、ブラウザの「戻る」ボタンで文章が消えるのを何度も経験した口です。戻るボタンを割り当てたマウスを使っていた頃、何度もやらかしました。そのうち、メモ帳で文章を書いてコピペするようになりました。しばらくすると秀丸で書くようになりました。ブラウザやWordPressが進化して、「前のページに戻る?留まった方が良いんじゃない?」みたいな確認をしてくれるようになったとて時既に遅し。そもそもブラウザ上で文章を書きたくないんです。
この時点で**「文章はブラウザではなくエディタで書くもの」**という意識が芽生えました。

Word

大学時代の先輩が**「Wordで文章を書くというのは、文章を書くことにちっとも集中できない。何故ならスタイルを整えることにリソースを割くことになるからだ。その状態では良質な文章など書けやしない。」**と語っていたのを聞いて、「確かに頭の中から文章が湧き出ている最中に、中央揃えとかやってる場合じゃないよな」と思うようになりました。

Gutenbelgブロック

最近のWordPressはGutenbergブロックというパーツを順番に並べて配置するだけで、あ〜ら不思議あっという間にカッチョイイコンテンツのできあがり!みたいなことをやっています。
でも僕は、例え改行するだけで新しい段落ブロックが出現するような環境であろうとも、そこで文章を書くことに対しての苦手意識が消えることはありませんでした。
確かにコンテンツの見た目を整えるのには本当に便利なツールなので、記事をアップする前の見た目の調整をする時には大活躍していますが、見た目を整えるのと文章そのものを書くのは別なわけです。
僕がブロック単位で動かしたり編集したり、見栄えが良くなるブロックを用意するのは、文章をひたすら書いた後の公開前の作業です。

修正よりも、見ながら新たに書き直す方が上手くいく

僕が本を出して一番実感できたのは、一度書いた文章の塊を手直しするのではなく、見ながら新しい文章を書く方が、結果として内容が洗練されて読みやすい文章に仕上がっている。ということでした。
文章というか、言葉が一度キーボードを通してデジタルで入力されているのに、それを再利用することなく再び手で入力することって、普通に考えたら無駄じゃん?って思いがちです。
しかしこれがまた、うまく機能しました。今でも信じられません。信じられませんけど、この方法が上手くいくって経験してしまったので、続けるほかありません。
ということは、

  • 情報を記録
  • その記録に関連した内容を一覧で眺める
  • それらを見ながら文章を書く
  • もし読みづらければ、書き上げた文章を見ながら新しく文章を書く

という方法が、自分に合っているのでは?と思ったわけです。
むしろ今までなんてこれをやってこなかったのかってことです。数千字レベルの文章なら、きっと頭の中から湧き出てきたことをそれとなく書いていくと形になるんですよね。本という規模になるとそれが通用しなかったわけです。
逆に言うと、ブログの記事レベルの文章量であっても、上記4つのことを淡々と繰り返していくだけで、これまで以上に良質なコンテンツがアウトプットできるのではないかとも思ったのです。
『教師のiPad仕事術』でまずさらっと書き上がったのは、初任校時代のお話でした。思い出話の部分です。あれは思いつくままに一気に書き上げることができました。
理由は、頭の中から湧き出てきた文章が、そのまま読み物のコンテンツとなったからです。編集担当の方に大分直されたりはしたものの、書き手としては思いつくままに文章を書くだけだったので、書いている時も心地よく仕上がりました。どちらかというと今書いている文章に感覚が近かったわけです。
しかし、第4章あたりから、思いつくままに書いていくことが出来なくなりました。文章の繋がりが予想以上に悪かったのです。
今だからこそ言えますが、4章以降の文章は「このままでは使えない、書き直してくれ」と言われました。それもそのはずで、アウトライナーでアイディアをプチ文章に昇華させたものの塊をそのまま送っただけだったからです。

mdファイルでアイディアを記録しようと決めた

記録後の再利用を意識したアイディアの蓄積方法について悩んでいました。いや、今もまだ悩んでいる途中です。
ここ最近でいうと、NotePlan3を使う用になりました。iPhoneやiPad、Macで内容が同期できる、Markdownカレンダーアプリです。簡易バレットジャーナルとして昨日させたりその日に思いついた内容をメモすることに使っています。

過去の記事でも書きましたが、2018年にNotePlan2を購入して使い始めました。当時は「いやいや、Markdown形式って言っても、このアプリの中にノートを溜めていって、もし使わなくなったらどうやってその内容を見るんだ?」と思っていたので、予定をちょっと箇条書きに書く程度でした。
そんな中で登場したScrapbox。今でも授業で扱う教材を公開するために使っていますが、**「お〜、アイディアメモ同士が繋がる繋がる」**という感覚、これがまた良いんですよね。
ただ、ScrapboxはWeb上で動くサービスなので、ネット環境がないと使えないわけだし、何よりiPad上でちゃんと動作をするアプリが事実上存在しませんでした。JSBox上でスクリプトを動かして利用する技はあっても、ネイティブアプリとして動作をするわけではありませんでした。
しかも僕はなんと言ってもブラウザで文章を入力するのが嫌なんですよ。エディタが良いんですエディタが。

そして11月に正式リリースされたNotePlan3では、mdファイルとしてiCloudDrive上にファイルを保存できるように進化しました。これはここ最近Markdownエディタがある種のブームになっていることが影響していると思います。いつでも乗り換えてきて良いからねと大きな口を開けたわけです。僕は思わず飛び込みました。

ここでようやくタイトルの話が出てくるわけですが、Ulyssesを辞めるなら今だ!って思ったわけです。
Ulyssesって、アプリ内のファイルをFinder上にドラッグ&ドロップすると、
.ulyz
っていう拡張子のファイルを吐くんですよ。明らかに独自仕様のフォーマットです。iCloudを使って同期しているって言っても肝心なファイルはiCloudDriveからは見られないし、吐き出させても独自仕様で、きっとUlyssesからしか見られません。しかも内容をエクスポートする時はファイル毎に手作業でって、これ他のエディタに移行させないようにしていますよね。
死ぬまでUlyssesを使い続けるほどの覚悟があればこの仕様でも良いのかもしれませんけど、僕としてはNotePlan3を導入したことですし、どうせならiCloud上にあるmdファイル群を色んなアプリから参照して編集したかったんですよ。

日々の記録はNotePlan3で、ブログはiAWriterで

結局のところ、ごりゅごCastと同じかい!っていう話になってしまうんですが、やっぱり辿り着くところは同じなんだなぁっていうものを感じています。
実は他にもMWebっていう中国製のMarkdownエディタのiOS・iPadOS版の出来が素晴らしかったので、これはiAWriterよりも良いもの見つけたやんけ!って思っていたんですが、Mac版をトライアルしていて自分が使いたいように使えないなって思ってしまったので不採用としました。1週回ってiAWriterに返ってきた感じです。

まだまだ模索は続きます。ツール選びなんて時代が変わればコロッと変わります。
アイディアを思いついたらメモを取って、それらが一定数貯まったら記事になるようなアウトプットサイクルを、現状でやるならMarkdownだなって思います。あとNotePlan3もキーワードやハッシュタグで他のmdファイルとリンクできるのが今風で良い。
しばらくはiAWriterで、ブログを更新してみようと思います。
あとiAWriterでブログ記事を書く時、画像を挿入するとmdファイルと同じフォルダ上に画像ファイルが溜まっていくので、何も考えずに画像を挿入しまくったらごちゃごちゃしてくるんじゃないかと心配しています。
とりあえず今月だと「202012」っていうフォルダの中でこのファイルを作成しつつ画像を挿入すれば、月単位で画像もまとまるのでは?と思っています。これを読んでくださっているiAWriterブロガーの皆さん、どうやって記事ファイルの管理されていますか?良い方法があったら教えてください。

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