今回は、少しばかり昔話にお付き合いください。
4月という新しい年度に向けて、部屋を整理していたら、押入れから初代プレステが出て来ました。
それだけなら懐かしいなぁで終わるんですが、右側に気になるスイッチがありますよね笑
これ、中にMODチップを内蔵しているんです。
初代プレステが普及する頃、パソコン業界ではCD-Rドライブが一部で普及してきました。僕が購入した初代CD-Rドライブは、CDRW-SX124BGという外付けドライブでした。
USBなんて不安定でよく途切れて使い物にならん!外付けならSCSIじゃぁ!!というのがその時の常識でした。
CDRW-SX124BGというのは、記憶では、BURN-Proofを搭載した初めてのドライブだったはず。CD-Rを焼いている時に、データの転送速度が書き込み速度に間に合わず、バッファアンダーランエラーを発生させてしまうのがその頃の悩みでしたが、BURN-Proofはバッファアンダーランを予測してその場で停止し、余裕が出てきたら書き込みを再開するという仕組みでこれを回避しました。
うお!メーカーページがまだある笑
これですよ。当時では画期的だった12倍速書き込み。
それ以前は4倍速とかが主流でしたから、CD1枚焼くのに、20分、テスト書き込みをするならその2倍、時間に余裕のある時か、書き込み後シャットダウンという設定で寝る前にスタートするかという時代でした。
それが、6分弱で1枚焼けてしまうなんて!という感動が当時はありました。
CloneCDでバックアップを試みた日々、あぁ懐かしい・・・。
おっと、話が脱線してしまいました。
MODチップとは、CD-Rにバックアップしたプレステのゲームをそのまま起動する為のICチップです。
初代プレステでは、CD-Rにバックアップしたゲームが起動しないように、CDの最内周にあるTOC領域という部分の情報を規定のタイミングで読み込む仕組みが導入されていました。(ちなみに、初期型には導入されていませんが、CD-Rが普及することには初期型のほとんどがソニータイマーを発動していました笑)
CD-RドライブではTOC領域への書き込みが出来ない為、プレステ側から今読み込んでいるディスクが正規のディスクなのか、CD-Rなのかを判定できるわけです。
しかし、正規のディスクのTOC領域に「これはプレステのディスクですよー」というデータが書き込まれているんですが、これをプレステの基盤に垂れ流すチップが登場したんですね。
これがMODチップと呼ばれているものです。現在ではWii用のMODチップも存在しているとかしていないとか。
それからはソニーとユーザーとのイタチごっこでした。
出始めのMODチップは、先ほども述べた通り、データを常に垂れ流している為、ソフトウェア側(ゲーム内)での検出が可能でした。
「ずっとデータを送ってるってことは、MODチップの仕業だよね?」という検出方法です。
元々、正規のディスクかどうかのチェックは、ゲームの起動前に行われているので、ゲームが起動してしまえば不要なんです。
というかゲーム中にMODチップの検出を行うケースが出てきたので、ゲーム中はMODチップは動いていたらあかんのです。
そこで、これの出番です。
非常に単純なアイディアです。
MODチップのデータ送信に使用されるピンの導線に、スイッチをかませばいい笑
大須でスイッチを買って、プレステ本体に穴を開け、スイッチを取り付けました。
後にステルスという名のバージョンアップされたMODチップが発売されましたが、不正競争防止法の改正によりMODチップの販売にストップがかかることとなりました。
今でこそカスタムワームウェアやAndroidスマートフォンのroot化、iPhoneの脱獄等、ソフトウェアのアップデートを利用した、ソフトウェア改変が主流ですが、今から10年ちょっと前は、改造するなら半田ごてを持って自分の腕前を信じ、チップを半田付けする日々でした。
ブログで情報発信が可能となった影響もあって、グレーゾーンの敷居が下がってしまったように感じます。
さて、この言葉で本記事を締めましょう。
〜本記事は不正コピーを推奨しているわけではございません。〜