ブログを書くとき、いつもタイトルに困るんですよね。でも今回紹介する本は、要所要所で腹を抱えて笑ながら読んでしまったので、それを付けました。

タスク管理の概念本が欲しいなぁ

ずっと思ってきました。タスク管理の概念を伝える本があったらいいなぁ。誰か書いてくれないかなぁ。ビジネス書のコーナーに行っても、小手先のテクニックばかり。違う違う。僕が求めているのは、「これさえあればタスク管理はバッチリだぁぁあ!」な本じゃなくて、そもそもタスク管理とは何かっていう、人生の歩み方みたいなことについて一緒に考えてくれるような本だったんですよ。「これ食べたらお腹いっぱいになれるよ!」じゃなくて、「この作物はこう育てるんだよ」っていうことが知りたかったっていうか、この例えで言うと「そもそも育てることの意義」みたいなところから話してくれるのを求めていたんですよ。

さっすが倉下さん、良い本出しますわ。

「やること地獄」を終わらせるタスク管理「超」入門

この本が発売されたのが2019年2月24日で、この文章を書いているのが翌日25日の夕方です。今日は仕事を休みにして、この本をずっと読んでいました。

共感した点

僕がこの本を読んで、まさにゲラゲラ笑ったところは、「人間あるある」な要素でした。

  • 「勉強しなさい」と言われるとやる気を無くす
  • ごみ箱とごみ袋問題
  • 不完全で不合理

もう、まさに、ほんとこれ感。人間は不完全な生き物で、出来ないことが当たり前なんですよ。だからそうしたら良いかを考え続けていくことが大事なんです。これを抑えておかないと、タスク管理なんて出来ませんよきっと。

この本を読めばタスク管理が出来るようになるよ!とは一言も書いておらず、あくまでタスク管理についての教養と考え方を考えましょうね!のところで留めてあるのが本当に素晴らしいです。こういう本、僕は好きです。

そりゃ実践例とかも欲しいっちゃ欲しいですけど、僕はそういうタスク管理システムみたいなのは、自分で模索したいんです。だってToodledo使ってる人、ほぼ見なくなったし。Remember Milkは・・・、いつの間にか「Remember The Milk」になってるし。ツールの操作方法とかは僕にとって不要で、どのツールを使うかはその人の自由で、タスク管理を行うために必要な考え方を再確認したかったんですよ。

そういった概念を知りたい方には、この本おすすめです。

我が家のゴミ袋問題

HAHAHA、この本の中に**ごみ箱とごみ袋問題(ごみをごみ箱に捨てようとしたら、ごみ箱にごみ袋がセットしていなくて、ごみを捨てる意欲がなくなってしまう問題)**が出てきてドキッとしましたよ。何故ならば、同じ経験を常日頃からやっているからです。

我が家では、嫁が日常の家事のほとんどをしてくれています。いつも大変感謝しています。しかし、それはそれとして、不満が一切無いわけではありません。そう、ごみ箱の袋問題ですよ。

ごみ出しという行動の中で、ごみ袋をごみ収集場所まで運ぶというタスクは僕が実行しています。それ以外のごみ出し関連のタスクは嫁が実行してくれています。

例えば、「中身が一杯になったごみ袋の口を縛り、玄関の僕の靴の前に置く作業」というタスクは嫁がやってくれています。以前、中身がいっぱいになった袋がそのままになっていても、僕は朝、ごみ袋の口を縛ってごみ捨て場に持って行くというタスクが実行しませんでした。というか、引っ越してからごみの曜日すら確認してませんでした。1人暮らしの頃は自分のタスクとして認識していたんですが、2人で暮らすようになってから未だにどのタスクを誰が担当するのかを細かく決めておらず、「ごみ出し=僕がやる」という認識になっていなかったために起こった悲劇でした。もっと細かい事を言うと、朝、嫁に「ごみを出しておいてね」と言われ、玄関に収集場所へ運ぶべきごみ袋があっても、僕が靴を履いて出発する際に目に入らないことがあって、ごみを放置したまま出勤してしまいました。その日の夕方に嫁からこってり絞られることがありました。それ以来、僕が外出する時の作業動線上にごみ袋を置くことまでが嫁のタスクとなっていました。

まぁこの時点で「家事」というタスクをあまりやってくれない夫として生活していたわけですよ。

話はまだ続きます。僕にはごみ出しタスクについて不満がありました。そこまで嫁にやらせて、更に不満もあんの!?と思うそこのあなた、ちょっとだけ聞いてください。嫁のごみ出しタスクの作業内容に不満があったんですよ。中身がいっぱいになったごみ袋をごみ箱から出し、口を縛り、玄関に運ぶというタスクの中に、「空になったごみ箱に、新しいごみ袋をセットする」が入ってなかったんです。きっと、嫁にとっては「次にごみを捨てようと行動した人が、新しいごみ袋をセットすれば良い」くらいのことだったんでしょうけど、僕はそうは思えませんでした。捨てたいごみを手に持ち、ごみ箱まで歩いていくと、ごみ箱にごみ袋がセットされていないんですよ。早く手のひらにあるごみを捨てたい一心でそこまで歩いたのに、袋がセットされていないんですよ。

じゅん

あ”あ”あ”あ”あ”あ

手のひらにあるごみを捨てるという一番やりたいことが出来ないどころか、ToDoリストの項目が脳内に増えます。

  • 「新しいごみ袋をごみ箱にセットする」
  • 「口が縛ってある袋を一旦解いて、手のひらのゴミを入れる」
  • もしくは「結び目付近の隙間から、手のひらのゴミを無理矢理入れる」

この3つのうち、どれを実行しようか考えなければならなくなるんです。僕は一刻も早くごみを捨てたいだけなんです。

結局このごみ袋問題はどうなったのかというと、僕がごみ出しタスクを行うことに決めました。前の日に翌日のごみ出しの準備をするように、リマインダーにタスクを追加してみました。これでしばらく様子を見るようにします。

夫婦問題をも解決してくれるこの本はエラい。

さて、仕事の面ではどうかというと、僕自身は自分なりのタスク管理方法がほぼほぼ定まってきていて、教師の仕事に余裕を持って取り組めています。タスク管理とか、やることリストとか、そういうことに元々興味があり、手帳術なども好きなので、こういう話題が好きなんですよ。**一応僕、教員界の手帳達人※**やってますし。

※学事出版より教員手帳「スクールプランニングノート」の公式手帳達人認定を受けました。

じゃあ何故今回、この本を購入したか、しかも紙媒体で。

それは、是非読んでもらいたい先生が、身近にいらっしゃるからですよ。

仕事に追われる教師たち

僕がこれまで見てきた先生方の中で、いつも仕事に追われている人が何人も居ました。

職員全体で見た時に、立場の違いから仕事量に差が出るのは当然のことです。しかし、少なくとも僕が見てきた中で常に仕事に追われている先生は、他の先生方と比べて仕事量が少なかったのです。悪い見方をすれば「仕事が遅い人」や「1つの作業に時間がかかる人」なんですが、僕はいつも疑問に思っていました。「何故この人達は、人よりも仕事に時間がかかるんだろう」と。

僕なりの考え方で出した答は「この人達は、本来は短時間で終わる作業に、多くの時間を割いている」でした。最低限、教科書の内容だけを授業で扱うところを、学力を定着させるために小テストを実施している。大変良い心がけではあるんですが、その行動を取り入れてしまったために、「小テストの採点やらなきゃ!ああ間に合わない!」と心の余裕が無くなってしまうのです。

小テストの実施以外の方法で、もっと短時間で生徒の学習効果が高まるような方法があれば、そちらにシフトするべきです。そして、小テストに固執することなく、他の方法を模索するべきでしょう。小テストの存在によって生徒も先生も双方が疲弊してしまっている状況があるなら尚更です。

人間、24時間は皆平等です。これは教員も生徒も同じ。やらなければならないことに量や違いはあれど、地球上で生きている限り、与えられた時間は人によって増えたり減ったりしません。だから「精神と時の部屋※1」や「バーストリンク※2」といったものが創作で出てくるんですよね笑。

  • ※1精神と時の部屋
    • ドラゴンボールに登場する、時間の進み方が普通とは違う空間を部屋にしたもの。その部屋の中で過ごした1年は、現実社会では1日分。登場人物である悟空たちは、たまにこの部屋を使って修行をし、短時間で長時間分の修行時間を確保した。
  • ※2バーストリンク
    • アクセルワールドというアニメ化もされたライトノベルの中で使える音声コマンド。これを使えば、自分の意識のみが加速し、相対的に時間がほぼ止まって見えるほど遅く感じる。

なので、この本を読んでもらうことを通して、自身のタスク管理について考えて欲しいなって思います。

3学期は教師にとって激務

ちょっと話はズレますが、高校はこの時期、3学期という1年間の最後の学期の終わりにさしかかっています。特に今は学年末テストと呼ばれるテストを実施している期間で、生徒は午前中にテストを受験し、昼頃には帰宅します。

実は言うと、僕はもう既に成績処理を終わらせています。僕が担当する「情報」という教科のテストは全てマークシートで答えられるように問題を作成しました。Wordで作成したマークシートをA4で印刷して、そこに解答させました。解答済みのマークシートはScanSnap iX1500で読み取り、採点もソフトウェアにやらせてるんですよ。僕が手でやる作業は、採点処理が終わった画面を見ながら、そこに表示されている点数を間違えずに正確にマークシートの余白に書き込むだけです。

その後で5段階評定を付けるのわけなんですが、既に学年末テストの点数さえ入れれば処理が終わるように事前に準備してあったため、240人分のテストの採点と成績処理を2時間で終わらせることができました。

この作業をアナログでやろうなんてとんでもないですよ。100点分のテストを240枚、手作業で丸付けをやることを考えると、40人1クラス分を採点するのには最低30分、長くても1時間はかかります。これをほとんどの先生方が普通にやられているので本当にゾッとします。

長時間採点しているとそれだけミスも増えるし、心も消耗します。更にその後に成績処理が待っているって考えたら本当にゲンナリしますよ。この作業が2時間で終わるのはマジで最高でした。

他の先生方からは「え!なんでも終わってんの!ちょっとこの採点も手伝ってよ!」と言われ、危うく他の教科の採点(もちろんそれは手作業での丸付け)も手伝わされそうでしたが、他に実行すべきタスクがあったので、それを理由に丁寧に断ることができました。タスク管理していて本当に良かった。

今自分がやるべきことをリストアップして、何が重荷になっているのか、どうしたら早く仕事が片付けられるようになるのかを考えること。これこそが重要なことなんです。

感想

なんか本を読んだっていう記事なのに、この本を読んで僕が連想した話になっちゃいましたね。倉下さんの本って、読み手を考えさせるように書いてるので、僕なんかアウトプットが止まらなくなっちゃって、アウトプットしながら結局読んでたら太陽が沈みました。

僕は教師という視点からタスク管理の重要性が分かってほしいなと思って、この本を買ってみました。多分、学生も主婦も、一度タスク管理について考える必要があると思うんですよ。そのとっかかりの本として、この本は本当におすすめ。

PodCastで倉下さんに色々聞いてみた

先日、ひょんなことからtwitter上の会話で倉下さんとPodCastで話すことになりました。気がついたら70分楽しく話してましたよ。ええ。