中学1年生の頃、従兄弟とおばさんと自分との3人で、リング2を見ました。それからというもの、リングの小説版を読みあさったり、リング0バースデーを見たり、テレビドラマ版を見たりと、この物語の魅力に引き込まれました。中学の頃の朝の読書週間でもずっとリングを読んでいる口でした。それくらいこのシリーズにハマってしまいました。

しかしここ最近の貞子が出てくる映画は、貞子=井戸から出てくる呪いみたいにしか解釈されておらず、リングの物語に出てくる悲しい出来事や、呪いが生まれることになってしまった経緯については一切触れられず、ただ貞子大暴れみたいな感じでした。僕はそれが許せなかった。何が貞子3Dだ。一言で言えば石原さとみと貞子のバイオハザードじゃねーか。

でもね、この2019年5月24日から『貞子』という映画が公開されたので、早速見てきたんですよ。そうしたら、僕が中学生の頃に見たリング2の続編だったんですよ。もう、「あれがここに繋がるのかぁ!」って興奮しまくりでした。

今回は、そんなリングシリーズが大好きな僕が、映画『貞子』の魅力を語ります。

ネタバレを含みますのでご注意ください。

こんな人は見ないでください

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    <li>
      『貞子』のネタバレを見たくない人
    </li>
    <li>
      リングをただのホラー映画だと思っている人
    </li>
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『貞子』の内容※ネタバレ含む

今回公開された映画のイントロダクションはこちらです。

見ると1週間後に呪い殺されるという「呪いのビデオ」の恐怖を描いた、

中田秀夫監督による映画『リング』(98)。

ビデオテープを介して呪いが拡散されていく衝撃的な設定は日本中を震撼させ、さらに長い黒髪に白いワンピースをまとい井戸やテレビから這い出る“貞子”の姿は「日本で最も有名な怨霊」として全世代に知れ渡る存在となった。

それから20年―、時代の変化と共に恐怖の形状を変えながら、日本のホラー映画界を牽引してきた『リング』シリーズ最新作が、若手実力派女優の池田エライザをヒロインに迎え、中田監督率いる伝説のオリジナルチームの手であらたに映画化!

さらに『リング』『リング2』(99)に出演した佐藤仁美が、当時と同じ倉橋雅美役で出演し、現在と過去をつなぐ。

ざっくり言うと、全てのあらすじはこうです。

  • 霊能力者の祖父江初子(ともさかりえ)が、自分よりも霊力が高い子どもを産み、役所に届けないまま育てた。
  • ある時、初子が団地の部屋の中に灯油を撒き散らし火を放ったところ、自分の子である少女が反抗し、能力を使った。結果的に灯油に火が付いた。
  • 母親は焼死したが、少女は奇跡的に生還した。しかし火事のことは覚えていない
  • 物語の主人公である秋川茉優(池田エライザ)は心理カウンセラーとして、入院中の少女を担当する
  • そんな時、動画サイトで生計を立てようとする弟が、心霊スポットでの撮影を試みるためその団地に潜入。結果、貞子に呪われることに。
  • 少女は主人公に心を開き始めたが、主人公が精神疾患患者に襲われそうになった時に、主人公を助けるために力を発動。結果、貞子を呼び寄せた。
  • その精神疾患患者こそ、リング2で友人らが呪いによって殺されたと心的外傷ストレスを煩った人だった。主人公に貞子について話す。
  • 主人公の弟が新たに動画を公開した。伊豆大島の洞窟内にいることが判明した。主人公と弟友人と2人で伊豆大島へGO。
  • 弟発見、しかしそこは捨てられた子どもの魂が集まる場所。山村貞子も赤ん坊の頃、山村志津子(貞子の母)にこの場所で捨てられた。貞子はこの時に呪いの力を得た。
  • 少女の魂が捨てられた子ども達の魂に引きずり込まれそうになるも、主人公が救出。
  • 救出後に主人公が貞子に襲われるが、弟が身代わりとなり海へ引き込まれる。この時に主人公に呪い発動。
  • 主人公は貞子の呪いで入院し、少女は退院。少女は自分を救ってくれた主人公に「あの時ありがとう」と声をかけた。
  • 夜、主人公に貞子の呪い発動。

よこく動画はYoutubeにアップされています。

リング2ファンが歓喜するポイント

どう書いたら良いのかわからなかったので、こう見出しづけました。ここ数年で出た映画、貞子3Dや貞子3D2はどうも貞子の呪いの怖い部分だけを使っているように感じていました。

山村貞子は生まれが不幸でした。霊能力者である山村志津子の公開実験は失敗し、ペテン師扱いされ、もう親子で心中するしかない。そう考えた志津子は貞子を伊豆大島の洞窟に置き去りにしました。しかし貞子は死ななかった。元々霊能力の素質があったところに呪いの力が加わり、人を呪い殺せるようになりました。

その能力が恐れられ、父親に井戸に投げ入れられた。しかし、貞子はその後も井戸の中で生き続け、VHSテープに自分の感情を念写したのでした。

今回の映画『貞子』には、VHSや呪いのビデオという言葉は出てこなかったものの、「貞子の呪い」という新しい言葉に置き換えられて、恐れられていました。

映画『リング2』22分部分より引用
映画『リング2』22分部分より引用

リング2に登場した、貞子の呪いの被害者である女子高生を覚えていますでしょうか。呪いのビデオを友人らで視聴&ダビングを繰り返して呪いから逃れている患者でした。

『貞子』では病状も落ち着き、入院から通院に切り替え、カウンセリングを続けていました。この歳月が経った今もなお、貞子の呪いに苦しめられていたのです。

しかし、少女が貞子を呼んでしまい、再び呪いが発動し、『貞子』後半で亡くなってしまうのでした。

ホラー映画なので悲しい事は続くんですけどね、それでも、小説版も読んできた僕としては、ここまで前作との関連性を強めてくれたということが、本当に嬉しかったんですよ。

ちゃんと「山村」という姓も出てくるし、山村志津子の新聞記事も出てきます。

感想

ここ最近の貞子の活躍っぷりといったら、リングファンとして複雑な気持ちでしたよ。ほんとに。

化け物に変化して石原さとみとバトったり、呪怨の伽耶子にビデオテープぐしゃぐしゃにされて逆上したり。や、だからね、そういうのじゃないんですよ。リングのストーリーが大好きな人が求めているのは。

ホラーって分類されますけど、本当に悲しい物語の被害者なんですよ貞子は。呪いは恐ろしいですけど、これまでの主人公らは、貞子のおいたちを知り、過去を知り、貞子に寄り添ってきました。

貞子!ぎゃー!ではなく、深い悲しみを知ること。呪いが生まれるようなことを人にしてしまうのも、人なのです。

『貞子』は、リング2を見た後だと、「あー!」って思う部分が多々有ります。できたらリングも、らせんも見ておくことをオススメしたいんですが、せめて最低限だけでも!というならリング2かなと思います。

ちなみに、初代『リング』と、物語的な続編である『らせん』はAmazonプライムビデオで見られますよ。