以前から気になっていたので読んでみた。ボリュームはそんなに多くなく、さらっと読める感じだった。これなら統合失調症について知らない人も、少しは理解を示せるようになるとは思う。
こんな人におすすめの本
- 統合失調症について知りたい人
- 身近に統合失調症の人がいて、その人を理解したいと思っている人
受験勉強をきっかけに発病

この漫画の主人公、きこりさんは、受験勉強による焦りと、両親からの重圧をきっかけに、統合失調症となった。
統合失調症の発病のきっかけは、人によって様々で、時期としては思春期頃に多いらしい。
また、ストレスがきっかけとなって発病したとしても、ストレスを減らしたからといって治る病気でもないところが悩ましいところだ。一度壊れてしまったガラス細工は、決して元通りには戻らないものだ。
統合失調症基礎が学べた
漫画の合間に精神科医によるコラムがあり、分かりやすく解説されていた。
発症初期のことを急性期といい、陽性症状(幻覚や幻聴、被害妄想)が現れる。
慢性期に入ると、陰性症状(元気がなくなる。感情が鈍る。反応が低下する。意欲が低下する。活動性も低下する)といった症状が現れる。そして、社会生活が送れなくなってしまう。
2019年現在でも、完治は難しい。現状では、投薬治療をしながら生活することを余儀なくされている。
感想
漫画なので短時間で読めたのが良かった。主人公が幻聴に苦しむシーンも、主人公の周りに実際には存在しない人物が声をかけている描写を見て、「あぁ、こんな感じなのか」と理解もし易かった。
統合失調症の症状は人によってまちまちだが、特に情報過多に苦しむ様子は共通しているように思う。身の回りの情報があふれかえっていると、誰もがパニックになるはず。健康な脳はそれをシャットアウトしたりと、目の前のことに集中する術を持っているが、それが効かない状態であることもよくわかった。
100人に1人の割合で存在している総合失調症、全ては分かってあげられないが、理解者でありたい。