Scrapboxというサービスに惚れ込んでから、仕事でもプライベートでも、かなり使っています。
ブログのアイディア出しから授業の準備まで、もうこれがないとできません。
さて今回は、そんなScrapboxを授業に取り入れてみた話をします。
下準備
今回、授業にScrapboxを導入するにあたって、生徒の人数分のGmailアカウントを作成しようと考えていました。
しかし、現在受け持っている生徒はざっと数百人。その数のGmailアカウントを個人で作成するのは無理です。
かといって、生徒一人ひとりにGoogleのアカウントを作って来なさいといっても、無理がありました。
2018年現在、スマホを持ち歩くことがほぼ当たり前となった高校生が大勢います。しかし、彼ら彼女らはGoogle検索を使うことができても、アカウントの作成や登録という作業はものすごく大変なことで、苦手だと感じている人が一定の割合以上にいます。
以前、少人数クラスでGoogleアカウントを作ってくることを宿題にしてみたのですが、アカウントを作成することに成功したのは15人中10人ほどでした。「あんなの色々入力していくだけじゃん」と思っている人が多い反面、「なにこれ、変なのでた。何をすればいいのかわからない」と本気で困っている人がいることも事実なんです。
Scrapboxは、編集するとなるとGoogleアカウント必須のサービスです。そこをなんとかならないものかと、Scrapboxのサポートにこの悩みの話を打ち明けてきました。その時にご返答をいただいた内容がこちらです。
こんにちは。Scrapboxサポートチームです。
お問い合わせいただきどうもありがとうございます。
お問い合わせの件につきまして、Scrapboxを利用するためにはGoogleアカウントの取得が必須となっております。スマートフォンを所有していない方でもGoogleアカウントを作成することは特に難しいことではないかと思われますので、お手数ではございますがそれぞれ個人用のアカウントをご準備いただけると幸いでございます。同じGoogleアカウントで複数端末からScrapboxに同時にログインすることも可能でございます。
また何かご不明な点などございましたら、どうぞお気軽にご連絡ください。
今後ともScrapboxをご愛顧いただけますと幸いです。
ScrapboxサポートチームScrapbox – https://scrapbox.io/
Contact & Support – https://scrapbox.io/contact
やっぱり・・・やっぱり・・・、スマホを持っている人は大抵Googleアカウントくらい持ってるだろうし、作ることはそんなに難しくないだろう。という見解のようでした。それもそうか。だって僕ならすぐ作れるし、きっとScrapboxを作った人達だって、Googleのアカウントなら、こういったサービスを使う人なら大抵持っているはずだろう。という考えのはずですから。
でもね、それでもやっぱり、iPhoneを所持している高校生で、Googleアカウントを持っていない人は結構多いんですよ。社会人からしてみたらビックリすると思いますが、本当の話です。むしろ今の高校生らはLINEやTwitterのアカウントのみでやりとりするので、メールアドレスも電話番号も必要ないんです。
Googleアカウントを所持していなくてもLINEのIDはある。というのも、変な感じがしますが、スマホネイティブ世代からしてみたら、アカウントというものをメールアドレスと紐付けること自体が古いのかもしれません。
おっと、この話をし続けては本題に入れませんので、話を進めます。
結局どうしたのかというと、メールの返信にあったように、生徒用アカウントを1つ登録したGoogleChromePortableを、生徒が使うパソコンのローカルに保存しておきました。もちろんScrapboxをホームに設定してあるものです。
自由に書いて良いテストページを用意した結果
とりあえずは生徒みんなにアクセスしてもらって、Scrapboxの良さを味わってもらわんと!と思ったので、授業のはじまりの部分で、40人全員にGoogleChromePortableを起動してもらい、「テストページ」を開いてもらいました。
「自由に書いて構いませんよ」と言ってみたところ・・・
荒れましたね。見事に笑
これじゃあかんと思って、「======」で壁を作り、その壁よりも下の部分だけを編集するように求めたのですが、
あっという間に「=====」よりも上の領域であるタイトルが書き換えられました。
もう何がなんだかわからなくなってしまいました。
無秩序とは怖いものです。
何故荒れたのか
荒れた理由をいくつか考えてみました。
- 自由に書いてくださいをそのまま受け取った
- 40人一斉に編集したことにScrapboxが追いつかなかった
だいたいこんなところでしょうか。Scrapboxは同期こそ速いものの、やっぱり学校というプロキシ内のネットワークからの40人同時アクセスには弱かったようで、誰かの入力した文字と誰かが押してしまったBackSpaceが入り交じったりと本当にカオスでした。
人数を絞りルールを策定した結果
ここで成功例も紹介します。
アナログとディジタルという単元で、40人を10グループに分けて、そのグループ毎に「アナログとディジタルそれぞれのメリットとデメリットを、何か物で例えて話し合って、出た意見をScrapboxに書いてみてください」という指示を出しました。
これなら1ページに4人しかアクセスしないので、先ほどの混乱は起きないだろうと考えました。
実際、上の画像のように、結構建設的な意見の出し合いができたと思います。意見が出尽くした頃には、生徒が他のグループのページを見たり、独自にリンクを貼ったりと、子供らがScrapboxを自分達で使っていた面も見えました。
まぁそれでも「うわ!誰だよ!カーソルが5人分あるぞ!」とアクセスしただけでも驚いていた場面があったので、そこは見てみて面白かったですね。
ノートごとに権限設定が欲しいぞ
今回、Scrapboxを生徒にも編集させてみた結果、テストページは大荒れで、それ以外のページはそこそこモラルを守りながら使う事が出来ていました。
僕の場合は、それ以外の時前の教材もあるわけで。そこはできたら編集
して欲しくないなぁと思っています。
だったらプロジェクトを分けるのが一番なんでしょうけど、生徒らが編集するページにも教材は必要です。
出来たら、ページ毎にロックできたり、アカウントに対して編集権限をページに対して与えることができたらいいなと思っているんですが、それだとScrapboxの思想にも反しているような気がしています。
まだまだ良い活用方法を模索中ですので、また何か新しい試みがあったらここに書きます。Scrapboxの活用についても、何か良い方法がありましたら是非教えてください。
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