2月の後半に入ったこの時期は、高校生にとって、学年末のテストの勉強をする期間です。家庭でも学校でも、とにかく「勉強しなさい」という言葉が飛び交っていることでしょう。

「勉強しなさい」は無責任な魔法の言葉

僕が教師をしていてちょくちょく疑問に思うのはまさにその「勉強しなさい」という言葉。小学校の頃から、ずっと言われてきている言葉です。この言葉を言われると、たちまち勉強する気力が無くなり、漫画を読んだりスマホを触ったりしたくなるという魔法の言葉です。僕なんて、母親から「テスト週間なんだから勉強しなさい!」なんて言われた日にゃ、意地でも勉強しませんでした。義務として強制されると、こんなにもやる気って無くなるんだなって感心するほどでした。

何故、人は「勉強しなさい」とか「しっかりやりなさい」とか、「ちゃんとやりなさい」って言われると途端にやる気を無くすんでしょうね。そして、何故人は、「勉強しなさい」って言いたくなるんでしょうね。

「勉強しなさい」と言われると絶対勉強なんかしたくなくなる症候群だった僕は、教師として子ども達に伝えているのは、「最低限、赤点を取るな」です。大学に進学したい子はきっと高い志を持っているに違いありませんから、この言葉のターゲットは就職や専門学校進学を志望している生徒です。今の勉強に大した魅力を感じない子達には、せめて赤点だけは取らないようにして欲しいのです。

テスト勉強とは何か

多くの高校では、テストが始まる前の1週間を「テスト週間」と呼んでいます。このテスト週間の初日に、各教科からテスト範囲が発表されます。テスト範囲と同時に発表されるのは、提出物です。問題集のページ数が書かれていて、書き込み式の問題集ならそれ自体を、もしくはその範囲の問題を解いたノートをテスト終了後に提出することになっています。その提出物を教員がチェックして、生徒の勉強した痕跡を点数化します。多くの教科がその提出物から問題を出題するので、「1.提出物を提出できる状態にする=2.一通り問題を解く=3.テスト本番では提出物の範囲で見たことがある問題だから点数に繋がる」という関係が作れます。それでもこの関係式の3まで辿り着く生徒と、辿り着かない生徒に別れます。何故3まで辿り着けない生徒がいるのでしょうか。

原因を挙げるとするなら、テストの点数を上げるために問題を解くのではなく、提出物を提出できる状態に仕上げるために問題集の答えを写す作業をしている。ということが考えられます。理由は至って単純です。真面目にやっていてはテストに間に合わない。問題を解いて、答え合わせをして、間違えた問題を復習して、問題をもう1度解いてみるという手順を踏む時間が、テスト週間の1週間では足りないのです。じゃあ普段から勉強すればいいじゃんというのが正論ですが、時既に遅し。

じゃあどうすれば良いのか。

今回はそんな悩みを解決するための本を紹介します。

『読むだけで面白いほど成績が上がる 高校生の勉強法』