こんにちは、ジュン@jun3010meです。
今回は、中高生のLINE依存について考察してみました。
スマホやLINE(ライン)がよくわからない方へ
まず、スマートフォンやLINEなどの単語がイマイチよくわからない方向けに、軽く説明します。
スマートフォン
スマートフォンとは、従来の携帯電話と比べて、自分で機能を増やすことが出来る携帯電話のことです。
機械内部の仕組みが大きくことなる為、
従来型の携帯電話のことを**「フィーチャーフォン」**
もしくは「ガラケー(ガラパゴスケータイの略)、
自分で機能を増やすことが出来る携帯電話の事を
「スマートフォン(略してスマホ)」
** **
****と表現されるようになりました。
アプリ
スマートフォンで自分達で自由に追加できる機能の事を「アプリ(アプリケーションの略)」
****と呼びます。
購入当初は機能が少ないスマートフォンでも、アプリを入れることで遊べるゲームが増えたり、
スケジュールの確認がし易くなったり、どんどん便利になります。
LINE(ライン)
LINE(ライン)は、スマートフォンに入れるアプリの1つです。
スマートフォンにLINEを入れると、同じようにLINEを入れた人同士でチャット(文字同士の会話)や音声通話ができるようになります。
また、スマートフォンのアドレス帳を読み込む機能があるので、
自分のアドレス帳に登録している知り合いからLINEを利用している人を自動で探し出し、LINEの中のアドレス帳に追加されます。
(ただし、アドレス帳の作業はスマートフォン本体ではなく、LINEの運営しているコンピュータ上で行われる為、自分のアドレス帳の内容が企業に収集されることを嫌う人の為に、この機能を無効にすることもできます。)
このLINEは、インターネット回線を利用します。
つまり、パケット通信を定額プランで利用している人(スマートフォン利用者のほとんどが定額プランに加入)は、チャットや音声通話を無料で利用することができるわけです。
「みんなでLINEを利用したら、みんなと無料で会話できる!」という考えが広まり、
今では中高生のほとんどがスマートフォンを所持し、LINEを利用するようになりました。
LINEの「既読」機能
これがLINEの画面です。プライバシーに関わる部分はモザイクをかけました。
送信されたメッセージの横に、メッセージが送信された時間と**「既読」**という文字があります。
「既読」マークは、送信されたメッセージを相手が読んだかどうかを判断するものです。
自分が送信したメッセージに「既読」というマークがつくと、
相手が自分のメッセージを読んだかどうかが確認できるわけです。
つまり、自分がメッセージを送信して、既読になっていれば「既に読んだ状態」。
**既読になっていなければ「まだ読んでいない状態」**ということを、
メッセージを送信した人もわかるわけです。
今の中学生はLINEをどのように使っているのか
さて、ここからが本題です。
今ではスマートフォンが中高生でも普及し、
そのほとんどの人がLINEを利用しています。
今では友達同士の連絡にメールや電話ではなく、LINEを使います。
LINEが普及することで、中高生のコミュニケーションの取り方が、劇的に変化しました。
コミュニケーションの展開が速くなった
現代は情報化社会と言われています。スマートフォンが普及し、
LINEというアプリが爆発的に普及しました。
これにより、数年前よりも、情報のやりとりが容易となり、
コミュニケーションを取る速度が速くなりました。
** **
特にLINEなどのチャットアプリは、従来の主流だったEメールよりも手軽に利用できる為、
メッセージを簡単に送信できるようになりました。
やりとりが簡単に行えるということは、1日に行えるやりとりの密度が濃くなったということです。
連絡する頻度が増え、確認する内容が増え、考えることが増えました。
これにより、情報が拡散することも速くなりました。
連絡のやりとりに終わりが見えない
上記の通り、スマートフォンを契約しているほとんどの方が、パケット通信の定額プランに加入しています。
定額ということは、どれだけ通信しても定められた上限以上のパケット通信料金が発生しないということです。
細かいことを言うと、通信するデータ量が多すぎると通信規制の対象となる場合がありますが、
ヘビーユーザーでない限り通信規制をかけられることはありません。
つまり中高生はLINEを利用することで、無料で通話したり、
無料で文字のやりとりができるわけです。
また、メールとは違い、自分の送った言葉と相手から受信した言葉が1つの画面に表示され、
どんどん追加されていく為、正に**「文字で会話している」という感覚でおしゃべりできます。**
この話し合いの画面は一度閉じても、再度開くことで会話の履歴を確認することもできます。
これにより、会話に終わりが見えなくなります。
****更に、メッセージのやりとりをしている相手は実際には遠く離れていても、
会話の履歴を確認しながらメッセージを送信できる為、
その存在を身近に感じるようになります。
盛り上がれば盛り上がるほど、会話が止められなくなり、
定額の範囲内で通話もできる為、料金を気にせずにずーっと会話します。
そして、先ほど書いたコミュニケーションの速度も上がっているので、
これまでよりも短時間で密度の濃い会話をすることとなります。
人と接したり会話することを楽しいと感じる人は、これがどんどんエスカレートします。
更にこの環境は、大人達では考えられない、新たな文化を作り出すこととなりました。
「既読無視」〜既読を気にする子ども達〜
**「既読無視」**という言葉があります。
既読無視とは、LINEでメッセージを確認し、既読が表示された状態で、
返事を返さないことを指します。
最近は、コミュニケーションの速度が速くなったことで、
早く返事のメッセージを送ることが前提だと思っている人が増えています。
自分がメッセージを送信したら、相手が内容を早く確認することを望み、
早く返事をすることを当然の事のように考えてしまうわけです。
一度そう考えてしまうと、相手の生活リズムや予定のことがあまり考えられなくなり、
すぐに返事が来ないことにイライラします。
すると、勉強に集中できなかったり、他のことをやっていてもそわそわします。
仮に返事が来たとしても、その内容に対してすぐに返事を送る為、
再び自分が返事を待つ側になります。
** **
この流れから、「既読マークを付けたまま返事を返さない」という行為を
**「既読したまま、自分を無視している」→「既読無視」**という言い方をする中高生が増えました。
ちなみに、この既読無視を気にする人は、例え既読をつけなくても、
「なんでまだ自分のメッセージを読んでないの!」とイライラすることは、言うまでも有りません。
「LINEで告白します。面と向かってなんて言えません。」
これはとある中学2年生男子が発言した言葉です。
中高生となると、男女交際のきっかけが増えます。
その際に自分の相手への気持ちを伝える**「告白」を、LINEで済ませる**という子どもが増えています。
別の中学生は**「大人になったら成長するんで、そうなったら面と向かって言えるようになりますよ」**
****と発言していました。
コミュニケーションを取ることが容易となったスマートフォンやLINEの普及により、
今の中学生は、面と向かって会話をするよりも、相手の顔を見なくてもやりとりが出来るLINEなどを使って、感情の表現をすることが多いそうです。
個人的には、「面と向かって言うことを経験していかないと、いつまで経っても面と向かって言えるようにはならんだろう」と思います。
僕の個人的な意見が正しいのでしょうか。
それとも、文字での感情表現が当たり前となる事が、次世代の文化なのでしょうか。
僕には判断できません。
若者のLINE疲れ
まだmixiが流行していた時代に、mixi上でのコミュニケーションに疲れを感じる
**「mixi疲れ」**という表現がありました。
ここ最近では、アメリカ人がFacebook(アメリカ発の大手SNSサイト)で疲れているらしいです。
中高生は、友人同士の会話にLINEを使います。
子ども達は、先ほど書いたとおり、面と向かって感情表現をすることをなるべく避けます。
** **
つまり、場合によっては、LINEの会話では仲良しで、リアル(現実世界)ではあまり話さない。
****というケースが想定されます。
もちろん、LINEをきっかけに、リアルでも会話が増えるようになることも考えられますが、
リアルで仲良しとなっても、その分LINEの時間が増えることも否定できません。
** **
文字とリアルで、コミュニケーションに差が生じてしまうと、
文字同士の会話での態度と、リアルでの会話での態度で、別々の自分を演じる必要があります。
****リアルではそっけないけど、LINEでは楽しく会話するケースがそれに当てはまります。
そうなると、子どもたちは
同じ人間に対して、LINEでの顔とリアルでの顔を分けて演じることに負担を感じ、
結果として疲れてしまいます。
僕は、これこそがSNS疲れの原因であるように思います。
更にLINEは、面と向かって話すよりもコミュニケーションの速度が速い為、
中高生は返事を早く送ろうとします。すると返事の内容を考える時間が短くなります。
短時間で楽しく会話する内容を考え、手早く入力する作業を長時間することで、
**SNS以上に疲れます。**これがLINE疲れの原因であると、僕は思います。
「LINEでの事件が増えている」という表現の真相
最近、殺人事件などでLINEが使われた。と言う表現をよく耳にします。
「ストーカー殺人の犯人はLINEを使っていた」みたいな記事の書かれ方をします。
まるで、LINEをどういうものかよく知らない人間が、
自分がよく知らないものを悪者扱いしているような表現です。
しかし、そうは言っても実際には事件等でLINEが使われます。
これには、原因があると僕は考えました。
コミュニケーション速度
先ほどの中高生の話にも書きましたが、
LINEはこれまでよりもコミュニケーションのやりとりを加速させました。
これがどういうことなのか、恋愛に例えて考えていきましょう。
大恋愛→大失恋
カップルが誕生する為に、つまり男女が交際をスタートさせる為に、
お互いの感情がどこまで高まったら告白に至るか。
僕は、その内容は今も昔もそんなに変わっていないと思います。
変わったのは、その感情が高まるスピードです。
現代は情報化社会と呼ばれているほど、相手に想いを伝えることが速くなりました。
その分、感情が高まる時間が短くなったんです。
相手とコミュニケーションを取る分、相手の事を知り、恋愛感情を持つのであれば、
LINEなどで昔よりも濃密にやりとりをするだけ、その感情が高まることが速くなるわけです。
すると、相手に依存する傾向が高くなります。
****気になる人とコミュニケーションを取る時間を長く取ろうとします。
コミュニケーションを取ることで、相手への気持ちがどんどん高くなります。
** **
常にコミュニケーションを取れる環境にいる分、独りで相手を想う時間も短くなります。
思ったことをすぐに相手に伝えられる時代です。
もしも、その感情が、普通では考えられないくらい高まってしまったら。
間違った方向に進んでしまったことを考える時間もなくなってしまったら。
取り返しのつかない事件に発展する可能性が高くなってしまうわけです。
僕はこれこそが、携帯電話やスマートフォンが普及したことによって、
恋愛が原因となったストーカー犯罪が増えてしまった原因だと考えました。
ちなみに、警視庁のデータによると、
平成24年では平成23年よりもストーカーの相談件数が44.7%増えているようです。
ストーカー行為等に係る相談件数は、1437件で、前年比+444件(44.7%)と増加しました。
このうち、本当に恋愛が原因である事案がどれほどのものかはわかりません。
しかし、報道される事件では、「元交際相手」という単語を多く耳にするものまた事実です。
どうやって解決していくのか
では、この問題をどうやって解決したら良いのでしょう。
一般的に依存症を克服する為には、依存対象のことを考えない為のルールを作ったり、
他に没頭するものを作ったり、様々な工夫がされています。
しかし、LINEの相手は人間です。自分がLINEをやっていないと、
相手は他の相手と仲良くなるということに、不安を覚える人も少なくないでしょう。
そこで僕は、1つの案を考えました。
LINEは連絡事項を伝えるだけにする
まず、誰かと長時間会話をするのであれば、
実際に会って面と向かって会話することを前提に考えます。
また、その人と仲良くなる過程でのLINEも極力避けます。
人間関係が形成されるまでの間にLINEを使うことで、依存に繋がったりするのであれば、
ある程度仲良くなるまではLINEをあまり利用せず、
連絡事項(次に会う日程の確認など)のみのやりとりに限定します。
**直接会って会話すればいいんです。**どうしても都合がつかなかったり、
距離的に困難な場合に、やむを得ず電話(LINEの通話)を使うんです。
それも自分の睡眠時間や勉強時間など、生活のリズムが乱れない程度にです。
コミュニケーションは確かに楽しいものではありますが、
その楽しさにハマり、どんどんのめり込んでしまうと、依存します。
****抜け出すことが困難となります。
であれば、はじめからコミュニケーションに依存しないよう、
あらかじめ危険性をしっかり認識し、自ら注意する必要があります。
おわりに
如何でしょうか。スマートフォンが普及し、LINEが普及したことで、
確かに便利な世の中になりました。
しかし、人間の能力の限界は昔とそんなに変わっていません。
技術が発展することで、料理や事務処理などが短時間で済むようになりました。
しかしその反面で、より多くの仕事が処理できることで、
結果的に仕事量が増えるケースも出てきました。
度重なる情報量の増加により、現代を生きる我々は、
ストレスを抱えることが多くなりました。
そのしわ寄せは、今を生きる子ども達にまで及んでいます。
今では、「プロフ(プロフィールサイトの略)」も聞かなくなりました。
LINEの次は、どんな時代が到来するでしょうか。
その時、我々大人はどういった対応ができるでしょうか。
子ども達は大人が想定する以上にLINEを使いこなし、のめり込んでいます。
****我々は、子ども達以上に物事の本質を理解することに努め、
良くない方向へ進もうとする子ども達を救う術を、
身につけなければならないのではないでしょうか。