教師のあるべき姿を『勉強する理由』から読み取る

やっと壮絶なアウトプットが終わったので、久々にインプットに徹してみました。

今回読んでみたのは石井大地 著の『勉強する理由』です。

教師として働いていると、どうしても「勉強」という単語が本のタイトルに入っていると気になって目に入るんですよ。

昨年度に僕が担任していないクラスの教室の本棚にあったのをきっかけにこの本に興味が出たにもかかわらず、そのクラスの担任の先生に「この本貸してください」と言い出せなかったのでAmazonで買いました。

Amazonでいいやと思った理由は、1円だったからです。

内容ざっくりまとめ

この本は次のような章立てでした。

  • はじめに なぜ勉強に本気で打ち込めないのか?
  • 第1章 勉強が楽しくない3つの理由
  • 第2章 「勉強しなさい!」と言うのが正しくない3つの理由
  • 第3章 心の奥底のやる気を見つける3つの方法
  • 第4章 勉強に本気になるための3つの秘訣
  • おわりに 勉強に本気で打ち込めないことはない!

これを更にざっくりまとめると、こんな内容でした。

  • はじめに
    • 勉強出来ないのは気合いが足りないからだ
    • 根性が足りないからだ
    • 本当にそう思っている親がいる
  • 第1章
    • 根性主義が蔓延しているから
    • 人生の幸せと学校の勉強が結びついていないからだ
    • 個人よりも肩書きが尊重されているからだ
  • 第2章
    • そもそもやる気が持てない
    • 身体に拒否反応が出る
    • プレッシャーに押しつぶされている
  • 第3章
    • 勉強をあえて禁止してみる
    • 勉強以外のことに手を出してみる
    • 本当に夢中になれるものを探す
  • 第4章
    • 辛いことはやらなくてもいいことだと悟る
    • 楽しく生きるのが一番
    • 自分の気持ちに正直になる
  • おわりに
    • チャレンジ精神が大事だよ

一言で言うと、「学校と塾と家の往復だけじゃなくて、視野を広げて色んなことに夢中になってごらん」的な本です。2009年に出版された本ですが、その頃からこういう事を本で主張している人っていたんですね。

僕が好きな言葉「好きな事を仕事にする」に通ずるものがありました。

本書から読み取った、教師のあるべき姿

普段、学校で授業をしていると、100人いれば100通りの考え方と向き合います。この本に書いてあることがそのまま実践できそうな生徒もいますし、「勉強しなさい!」という外的要因を受けて初めて勉強ができる生徒もいます。

全ての生徒に当てはまる考え方にはどうしても思えません。

そして、我々教師たちが、学習指導要領に沿った内容の授業をしている限り、独自のテクニックを取り入れることはできても、大筋から離れた内容に触れる時間は限られています。

特に僕が勤務している高等学校では、生徒らは授業を「卒業に必要な単位」として履修し、定期考査を受けることで修得が認められ、単位を取得していくわけです。がしかし、その授業の中で全ての生徒を自分の教科に夢中にさせることはほぼほぼ不可能です。

夢中になれるものを、見つけ出す手助けをする

教師として、生徒らには何か夢中になれるものを見つけて欲しいと思い、そのきっかけ作りをしてきました。

授業を通して知識を伝達することは勿論普段からやりますが、学びの本質はそこではありません。

僕は教師の仕事の醍醐味は、子ども達に何かに夢中になるきっかけを与えることだと考えています。

時間は有限です。ただ「やりなさい!」と言われる勉強と、授業後と土日の大半の時間をもってかれる部活動に追われ続けた高校生活を送ってしまうと、3年間はあっという間に過ぎていきます。

できれば何かに夢中になって、自分自身が何をしていたら幸福度が上がるのかを発見し、それを追求してもらいたい。その方が、後の人生が豊かになるからです。

経験率=経験/体験

僕が気に入っている漫画『鈴木先生』に、「経験率=経験/体験」という式が登場します。

体験を分母に、経験を分子にすると、経験率が出せるという話です。多くの体験をし、その中で多くを学ぶことで、高い経験率となるわけです。ただ体験するだけでは経験したことにはなりませんし、経験率を高くしようと敢えて体験を少なくしても視野が狭くなります

文部科学省が掲げている「生きる力」を育成するためには、まずは子ども達に多くの体験をさせること。そして、その体験を大切な経験へを昇華させる手助けをすること。この流れこそが、我々教師のやるべきことだと思うのです。

引き出しを増やし、骨太になろう

大学時代、HHKBを使っている先輩がいました。そこから沼へとはまり、今日に至りました。今思えば、その後の人生が大きく狂うほどの、大きな釣り針でした。

別に僕は先輩から「このキーボードを使え!」なんて強要されていませんし、妙な宗教に勧誘された認識もありません。全ては自分から興味を示し、首を突っ込んだ結果です。

例えば「ガンダムというアニメを見てみたいんだけど、どれから見たら良いか」という問いに対して自分なりの答えを用意しておくことと同じように、自分と関わる人に何を与えることができるのかを考える。与えられる内容が少ないのなら増やすしかない。そのために色んな人と関わって、少しでも多くのことを経験し、経験率を上げること。

こうした行動を普段から続けていくことが、教師のあるべき姿ではないかと考えました。

2020年5月という大変な時期、インプットするなら今です。

あ、あと正直に申し上げます。こちらもインプットしていただければ幸いです。

この記事を書いた人

魚住 惇

魚住 惇

高等学校教諭で『教師のiPad仕事術』の著者。 AppleTeacher、スクールプランニングノート公式手帳達人、相棒はHHKB HYBRID Type-S 白無刻印、HHKBケーキの人。コーヒーは生豆から焙煎。Podcast「さおとめおとらいふ」始めました。

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