5月半ばです。中学校や高校は中間考査(中間テスト)の時期でしょうか。テスト週間は部活動も休みなので、早く帰宅できる先生方も多いと思います。
今回は普段の学校生活の中で、比較的早く帰宅している先生方が実践している「早く帰宅する方法」について話していきます。
教員の長時間労働の原因
学校の先生が夜遅くまで残って仕事をしている原因は沢山あります。順番に考えていくことで、それぞれの対策が取りやすくなると思います。
原因1:部活動
最大の原因は部活動です。学校や季節によって最終下校時刻は異なりますが、高校だと18時半まで活動していることがあります。その後に下校指導をすると、職員室に戻ることができるのは19時です。つまり、授業の後に仕事を残した顧問の先生が仕事を再開するのは、その後です。20時で閉まる学校なら、1時間しかありません。
加えて、大会の時期ともなると、土日の両方が大会役員であったり引率業務として潰れます。
原因2:教材研究に時間をかけすぎ
僕が若い先生方を見ていてわかった長時間労働の原因は、教材研究(授業で使う教材を準備したり、教科書の問題を先回りして解いておくこと)にかかる時間でした。
明日の授業で使うプリントを今から作成しなければならない。こういう仕事にはどうしても時間がかかります。そこに載せる問題の難易度の吟味や、量など、考えることが山積みです。
教え方や説明する内容などの知識の蓄積が不足している若い先生は、どうしてもこの教材研究に時間がかかります。これが長時間労働に繋がっていることがよくよくあります。
原因3:やることが多い
すごく単純な話ですが、やることが少ない先生は早く帰ることができ、やることが多い先生は遅くまで帰れません。部活動の主顧問ではない先生や、中間考査にテストを実施しない教科の先生はどうしても早く帰ることができますし、あれもこれもと仕事をかかえている先生は遅くまで残って仕事をしています。
早く帰宅する方法
では、原因を挙げた上で、これらを解消する方法を僕なりに提示します。ちなみにこの方法は、早く帰るためにも使えますし、自分がゆっくり時間を使って取り組みたい作業や仕事に時間を割くための方法でもあります。
1.部活動後の仕事を部活前に片付ける
早い話、部活の主顧問をやめることができたら、早くは帰れます。しかし、部活が終わった後に早く帰宅する先生も多数います。
部活動が終わり、下校指導が終わった後にすぐ帰宅できる先生は、部活動後に仕事をしない人です。単純な話です。日中の空きコマの間に仕事を終わらせておき、部活動が終わったら自分も帰る。これが出来るようになったら早く帰ることができます。
2.夕方に教材研究をやらない
自己啓発系の本によく書いてあるんですが、人間の体力や気力をゲームのライフゲージに例えると、朝が一番MAXな状態なんですよ。起きて活動している間は必ず減っていきます。睡眠を取れば回復します。ちなみに昼寝をするとライフゲージの減少は止めることができても、回復まではしません。
ということは、エネルギーが有り余ってやる気に満ちあふれているのは、午前中、特に朝ということです。おすすめなのは、プリントの中身を作成するとか、テストの問題を仕上げるだとか、授業の内容を考えるということは、午前中にやるべきなんです。
午後になり気力も体力も低下してきたら、プリントの作成作業などを切り上げて、机上の整理や、プリントの印刷などの単純作業を行うと意外と捗ります。
教材研究などはアイディア勝負なところがあり、時間をかけて考えるよりも、発想さえできればそれで終わり!みたいなところがあります。こういった内容の作業は脳が疲れていない時が良いんですよ。ちなみに、アイディアがよく出るタイミングってのがあって、脳にとって発想がしやすい環境を意図的に整えることもできます。この話については別の記事にまとめましたので、参考にしてください。
3.やることを減らす
仕事が振り分けられる量の問題ももちろんありますけどね、結局のところ勤務時間は仕事量が左右します。仕事が少ない人は早く帰り、仕事が多い人は遅くまで残っています。
教師の仕事って、管理職の先生からの依頼や分掌の役割としても勿論あるんですけど、自分で仕事を増やしている人が結構多いんですよ。
授業のこの部分をもっと丁寧にやりたいから、残って作業しよう。とか、ちょっと先のプリントを部活の後に作っておこう。とか。
つまり、他の人よりも丁寧に仕事をしようとすればするほど、時間がかかり、帰る時間も遅くなるというわけです。
自分の仕事に対してある程度の見切りを付けて、時間が来たら終わり!帰る!という感じの人は、やっぱり教員の世界でも早く帰ります。
逆に丁寧にやりすぎて仕事が遅い人もいるんですよね。どちらが良いかと聞かれると、僕は「ざっくりでいいから早く仕事を終わらせてくれる人の方がいいな」って答えます。後に人が関わっている仕事は特に、丁寧にやること以上に早い方が喜ばれますから。
まとめ
特に中学校によくある風潮ですが、遅くまで仕事をしていて、その分授業や生徒対応が丁寧で、生徒からも信頼されている。そんな先生が、定時や部活が終わった時間にすぐ帰宅する先生のことを、「丁寧に仕事をせずに、すぐ帰っちゃうんだ」と批判することがあると聞いたことがあります。「もう帰っちゃうの?私はここから頑張るのに」とでも言わんばかりの空気が漂う職場もあると聞いています。高校はもうそんな雰囲気はほぼ無くなったんですけどね。
そりゃ時間をかけた授業はクォリティが高くて、分かりやすくて、評判なんでしょう。しかし、生産性や仕事率という尺度で考えたら、その成果と引き換えに、犠牲にした時間のことを考えると、僕はやり甲斐搾取もいいとこだなぁとばかり思います。
個人的には、時間をかけて遅くまで働いて120%の仕事をするより、70%の出来でも良いから期限より早く仕事を終わらせてくれた方が、優秀だと感じます。
僕は高校の教員ですが、今の職場は管理職が20時に職員室を閉めるので、それよりも遅く残って仕事することが出来ない状態です。この制度というか考え方が有りがたくて、だらだら仕事をする人があまりいません。
ちなみに、僕の現状はというと、早い日もあれば遅い日もありますので、毎日必ず早く帰っているというわけではありません。ただ、人よりも効率良く仕事をしていると自負しているので、空いた時間の分を教材研究に回しています。早く帰宅できたらゲームで遊んだりブログを書くこともできるので、こうしたところにリソースを割けるためにも、仕事はどんどん効率化を図って取り組みますよ。