こう見えても愛知県の塾業界に属していた過去があります。
先日、愛知県公立入試が実施されました。毎年3月の、中学校の卒業式が過ぎた頃に行われています。所謂「高校入試」というやつです。
今回の愛知県公立入試は、推薦入試と一般入試が一緒に行われたりと、大きな改革がありました。
ただ、ただね、僕が歓喜したのはこの記事タイトルにあるとおり、僕の大好きな本が入試問題の題材として出てきたことだったんですよ。
梅棹忠夫 著『知的生産の技術』
この本は1967年に出版されたものです。近い年で言うと、『おそ松くん』というアニメが1966年に放送されました。コンピュータの世界ではマイクロプロセッサが登場する前です。
そんな時代に、身の回りの情報を整理しようと試行錯誤した人物がいました。それが梅棹忠夫さんです。
この本は、梅棹さんが情報を整理整頓する為に行った試行錯誤の記録です。今ではKindle版も出版され、古本を探せばAmazonでも100円を切る価格で買うことができます。
似た様な本というか、整理をするための本として1993年に野口悠紀雄教授が書いた『超整理法』という本もありますが、あれはこの『知的生産の技術』で基礎を学んだ上での異例とも言える整理法なので、この本を読んだ後に手に取ってみることをオススメします。
Bグループ学力検査にて出題
平成29年3月6日(月)に行われた入試にて、第5章の「整理と事務」の冒頭文が出てきました。
実際に出題された問題文と解答は、塾のサイトからPDF形式で公開されます。
ほとんどのサイトでは問題文そのものは著作物に当たるためモザイク処理がされていますが、この記事を書いている2017年4月1日時点では佐鳴予備校のサイトでは問題の文章がそのままスキャンされたものが載せられていました。
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佐鳴予備校(さなるよびこう)|小・中・高の一貫教育 - 伝統と実績の受験道場 -/愛知県高校入試情報
問題用紙のPDFはこちらのリンクです。
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解答用紙はこっちです。
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公立入試の問題は誰が作っているのか
余談ですが、愛知県で行われる公立入試の問題は、愛知県教育委員会の高等学校教育課というところで作られています。教育委員会のサイトを見ると入試関係の情報も公開しています。
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あまり詳しくは書けませんが、今回の問題を作成する際にこの本に決めた人物が高等学校教育課より任命された人がいる!と考えるだけで、目の付け所が何て素晴らしいんだろう(にんまり
となってしまいます。
感想
今回出題された文章は、整理と整頓は違うよ!という部分の話でした。
ただ整理するだけでは、見た目が綺麗になるだけで、「あの資料どこいったっけ?」と探す時にサッと取り出すためには整頓が必要だ。と梅棹先生は著書の中でおっしゃっていました。
皆さんの身近に、めっちゃ綺麗に片付けはするのに、出すときに苦労するような収納をする人、居ませんかね?僕は心当たりがあります。
情報を後々に活かす為には、身の回りを綺麗にする「整理」だけではだめで、後で取り出しやすいように「整頓」する必要もあるってことを、僕は改めて実感しました。
まぁまずは今回の出題された部分だけでも、読んでみてくださいな。その後で「この本面白いな」と感じたならば、Amazonや古本屋で探してみることをオススメします。